2011 Fiscal Year Annual Research Report
全生物の共通祖先と、さらにそれ以前のタンパク質に関する研究
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23370097
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
山岸 明彦 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50158086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横堀 伸一 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)
赤沼 哲史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (10321720)
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Keywords | 生命初期進化 / 共通祖先 / コモノート / NDK / 分子系統樹 |
Research Abstract |
まず、両共通祖先の配列をより詳細にしらべた。これまでに、古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの二つの完全祖先型タンパク質の作製に成功している。しかし、一方で祖先配列推定法が祖先アミノ酸残基を一義的には推定できない事もよく知られた事実である。そこでまず、最尤法ならびにBayes法で祖先配列を推定し、比較した。また、アミノ酸組成一定の仮定なしの推定を行った。 1.祖先型NDKアミノ酸配列の推定法の詳細 CLUSTAL X(Thompson,1997)を用いたアライメントを行い、次いで立体構造を考慮したアライメントの修正を行った。アラィメントが曖昧な部分をGBLOCKS(Castresana,2000)で配列を切り出す。(最尤法による推定)このデータを用いて、Tree Puzzle(Schmidt, et al.2002)とCODEML(PAMLパッケージ中、Yang,1997)を用いて最尤系統樹を作成した。得られた系統樹を用いてCODEMLで祖先配列を推定した。(Bayes法による推定)最尤法で用いた配列データを用いて、MrBayes(Ronquist, F., Huelsenbeck 2001)、PhyloBayes(Lartilltt and Philippe 2004, 2006 ; Lartillot et al. 2007),nhPhyloBayes(Blanquart and Lartillot 2006, 2008)を用いてBayes法による系統解析を行った。nhPhyloBayesは進化の過程でアミノ酸組成が変化可能な進化モデルに基づく解析が可能なプログラムである。それらの解析から得られた系統樹を元に,祖先配列の推定を行った。 2.遺伝子合成、タンパク質発現精製と活性、耐熱性測定の詳細 推定した遺伝子のアミノ酸配列を大腸菌の高使用頻度を用いて逆翻訳した。ただし、繰返し配列はPCRエラーの要因となるので、その部位のコドンは第二の高頻度コドンと交換した。PCRにより遺伝子合成を行った(Hoover and Lubkowski 2002)。祖先型遺伝子を、発現ベクターに導入し、発現した。 3.耐熱性は機能面と構造面の両面から測定した。機能面は一定温度での熱処理後の残存活性を測定したことから評価した。構造面では、円偏光2色性(CD)測定から、タンパク質二次構造を評価した。温度を一定速度で上昇させ、タンパク質変性にともう二次構造の消失をCDで評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画した実験は計画通りに実施し、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの中間の組み合わせを作製する。おそらく12程度の配列を作製することになると予想している。これらの変異型のいずれかが、全生物の共通祖先に対応するはずである。古細菌祖先型NDKと真正細菌祖先型NDKの中間の組み合わせの中から、アミノ酸残基の単純化変異体を作製する。 これまでにも、現存するタンパク質を標的タンパク質として、20種類よりも少数のアミノ酸によってタンパク質が形成可能かどうかを確かめる実験が行われてきた。しかし、その時に残されるアミノ酸残基は、非生物アミノ酸合成実験(Miller 1953)によって比較的容易に合成されるアミノ酸、あるいは、物理化学的性質に基づいて主観的に選ばれたアミノ酸が選択された。本研究では、祖先型NDKを標的タンパク質として系統的にアミノ酸残基数を減少させる。
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