2011 Fiscal Year Annual Research Report
周波数解析およびマルチスケール解析による皮膚血液循環の個体差出現メカニズムの解明
Project/Area Number |
23370107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Applied anthropology
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 奨 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70306926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 茂 防衛大学校, 応用科学群, 教授 (70251650)
世良 俊博 大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師 (40373526)
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Keywords | 人類学 / 生理学 / 循環器・高血圧 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究では,ウェーブレット変換による周波数解析によりヒトの皮膚血流状態に影響を及ぼす5つの生理的要因((A)血管内皮細胞,(B)神経活動,(C)血管平滑筋,(D)呼吸,(E)心拍)が抽出できることを利用し,寒冷,暑熱,精神ストレスなどの影響下で,ヒト皮膚血液循環にあらわれる個体差を5つの生理的要因の違いで分類すること.さらに,5つの要因を(イ)ヒト,(ロ)細胞・遺伝子発現,(ハ)動物のマルチスケールで詳細に解析をおこなうことにより,ヒト皮膚血液循環の個体差出現メカニズムを明らかにすることを目的とする. 現在,寒冷曝露時の皮膚血流計測をおこない,皮膚血流信号のウェーブレット解析から神経活動および心拍要因を解析した.さらに別途心電図計測より算出されたR-R間隔から交感神経・副交感神経の影響を解析し,その結果とウェーブレット変換との対応を調べた.その結果,寒冷曝露前後で交感神経・副交感神経反応に差があることがわかってきた. 血管内皮細胞に関しては,細胞内のIP3が上昇すると細胞外へATPを放出することで周辺の細胞にカルシウム応答伝播を誘導することがわかった.さらに流体影響下ではIP3が上昇した内皮細胞から下流方向へカルシウム応答が伝播することがわかった.また,流体刺激がない場合,内皮細胞は4℃,28℃,37℃の温度間で血管拡張因子である一酸化窒素放出能は変化しないが,温度刺激に血流を模擬した流体刺激が加わると一酸化窒素放出能に変化が生じることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトを対象としたウェーブレット変換による解析,および内皮細胞を対象としたカルシウムおよび一酸化窒素の測定は一定の成果を残すことができている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,環境を変化させた際のヒト皮膚流解析をおこなう計画である.
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