2011 Fiscal Year Annual Research Report
ギニアグラスを用いたアポスポリー性胚嚢始原生殖細胞出現メカニズムの分子的解析
Project/Area Number |
23380009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
陳 蘭庄 南九州大学, 環境園芸学部, 教授 (40284822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 薫 東京大学, 農学部, 准教授 (70183994)
鉄村 琢也 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
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Keywords | アポミクシス / 胚嚢始原生殖細胞 / ASG-1遺伝子 / シングルセル / ギニアグラス / 遺伝子発現 / アラビドプシス / 遺伝子組換え |
Research Abstract |
有性生殖StrategicOperations系統からの細胞の単離:N68/96-8-o-5を用いて大胞子母細胞、2分子、4分子、大胞子、大胞子由来の胚嚢生殖細胞である卵細胞、助細胞、中央細胞、反足細胞、大胞子母細胞周囲の珠心組織の体細胞を、酵素処理によって単離でき、細胞単離のスタンダードを確立できた。 アポミクシス性ギニアグラス系統からの細胞の単離:N68/96-8-o-11を用いて大胞子母細胞周囲の珠心組織の体細胞、細胞サイズが大きくなる前のAIC前駆細胞、AIC、AIC由来の2核と4核胚嚢、およびAIC由来の成熟した胚嚢の生殖細胞である卵細胞、助細胞、中央細胞を、酵素処理によって単離できた。これによって次に行うシングルセルの分取や遺伝子発現実験のために突破口を開いた。 発現遺伝子用ベクターの構築:イネの全身組織で発現するベクターを使ってhsp::ASG1::GFPの構築を完成した。アグロバクテリウムにも入れたので、一過性発現用遺伝子組換え系の準備ができた。 アラビドプシスを用いた.ASG-1遺伝子の機能解析:モデル植物のアラビドプシスを用いて、研究室に既存のASG-1が入っているベクターを使用して、ASG-1を遺伝子導入して組換えアラビドプシス植物体を得た。組換え植物はT_0世代からT_2世代まで繁殖している。また、ASG-1の検出はASG-1の塩基配列に基づいて作成したプライマーを用いたPCR手法による解析では、ASG-1の存在が確認できた。いま、サザンなどの手法による検定を実施中。 得られた組換えアラビドプシス植物には、様々な変異体が見られた。それらの遺伝子発現を明らかにするため、まず、それぞれの変異体の蕾や小花をサンプリングしてPFA50前処理液に入れ、さらに70%のアルコールに置換して冷蔵庫に保存中。今年はノマルスキー微分干渉顕微鏡を購入したので早速組換え変異体の生殖様式を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)アポミクシス性胚嚢始原生殖細胞(AIC)の単離については、これまでに生殖細胞の卵細胞や助細胞をはじめ、AICを含む細胞の単離法をほぼ確立でき、ターゲットの細胞も単離できた。 2)単離された細胞にASG-1遺伝子を導入し、一過性発現を行うため、hsp::ASG1::GFPの構築も完了した。 3)一方、ASG-1遺伝子の機能解析を行うため、アラビドプシスへの遺伝子導入系の確立もでき、T_0,T_1,T_2世代まで組換え植物の育成ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、来年度が2年目に入るが、今までの研究計画や進め方は今年度の研究実績から見ると、ほぼ適当だと考えている。基本的に研究計画通りに進めたいと考える。 また、今後も研究分担者や研究協力者と密に連携を保ちながら、役割分担をしっかり明確し、研究の遂行に支障が出ないよう細心な注意を払いながら強力に推進したいと考えている。
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Research Products
(11 results)