2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鴨下 顕彦 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10323487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (30183057)
根本 圭介 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40211461)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 耐乾性 / 旱魃 / 作物 / イネ |
Research Abstract |
開発途上国の天水農業での旱魃が起こりやすい地域での、適応品種や遺伝子型を明らかにするために、イネなどの穀物の「旱魃応答指数」(drought response index; DRI)の生理・遺伝・生態学的解明を行うプロジェクトの2年目の実績である。DRIは伝統的な育種法の中でトウジンビエやイネなどの耐乾性の選抜指標として着目されてきたもので、収量ポテンシャルやフェノロジーでは説明できない旱魃抵抗性の指標とされているが、そのメカニズムを研究した例は少ない。本年度は、ソバ、トウジンビエ等のDRIの解析を進めながら、主にイネの集団と品種と準同質遺伝系統について、コントロール区と旱魃区を設けて圃場試験を行った。 イネの3つの遺伝集団(それぞれ約100系統)、インディカ・ジャポニカ・熱帯ジャポニカ・NERICAを含む20品種、コシヒカリとIR64の準同質遺伝系統を用いて、出穂期や子実重の旱魃応答試験を行った。灌水区(コントロール区)と雨除け区(旱魃区)を設け、雨除け区は、良好な苗立ちを確認した後に降雨を遮断し旱魃サイクル(Venuprasad et al., 2007 Field Crops Res)をかけた。施肥設計は慣行栽培の水準を基準に設定した。コントロール区と旱魃区の、土壌水ポテンシャル、土壌水分を経時的に測定し、旱魃の程度を定量的に把握した。膨大なデータを解析中である。準同質遺伝系統については、深根性の遺伝子と早晩性の遺伝子の旱魃圃場条件での効果を示し、学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝集団の量が膨大なため、H24年度の圃場試験は終えたが、そのデータの収集と解析に予想以上の時間がかかっている。が、解析の見通しはついているので、このまま時間と労力を割いて進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題について、必ず果たさねばならない試験と解析と、発展的に研究できると望ましいテーマとに分けて進めてゆく。前者としては、各材料ごとのDRIの解析と量的遺伝子座の推定である。後者としては、関連する根の形質のフェノタイピングや、次年度の遺伝子レベルでの解析である。
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