2011 Fiscal Year Annual Research Report
自殖性アスパラガスの雄性種子生産への利用と両性花形成を誘導する分子機構の解明
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23380015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 清 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (60157203)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 明 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10260449)
駒井 史訓 佐賀大学, 農学部, 准教授 (10372765)
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Keywords | 単性花 / 雌雄性 / サイトカイニン / アスパラガス / サイトカイニン分解酵素遺伝子 |
Research Abstract |
アスパラガスの単性花は,対向する性の花器官の発育不全によって生じる。アスパラガスの若い花芽では,雄性花のオーキシン濃度が雌性花より高く,アブシシン酸やサイトカイニンには差異が認められないことが明らかにされているが,成長調節物質との関連についての研究は進んでいない。近年,サイトカイニンを介した花器官の形成制御に関する研究報告が見られ,加えて,内生サイトカイニン濃度が分解系によって調節されている事例が増加しつつある。そこでアスパラガスの単性花形成と植物ホルモンとの関係を明らかにする目的で,花芽で発現するCKX(cytokinin oxidase/dehydrogenase)の同定を試みた。アスパラガス雄性判別DNAマーカーAsp1-T7を含む領域をもとにデータベースを検索したところCKXと相同性の高い配列が検索された。この配列を手がかりに,PCRプライマーを作製し,cDNAの全長を増幅した。クローンから得られた塩基配列をもとに,アミノ酸配列を推定し,機能領域を検索した結果,CKXに共通して見いだされるFAD-binding domainおよびcytokinin-binding domainが見つかった。一方,花芽で発現している別のCKXを同定する目的で,既知CKX配列を参考にPCRプライマーを作製し,cDNAを増幅した。得られた塩基配列からアミノ酸配列を推定し,機能領域の検索を行ったところ,同様の機能領域が検索された。これら2つの遺伝子は雄性花芽および雌性花芽のいずれにおいても発現していた。縮重プライマーを用いたPCRでは,同定したCKX以外のcDNA断片が増幅したので,それらが雌性花芽あるいは雄性花芽のいずれかでのみ発現するCKX遺伝子に由来する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的遺伝子の単離・同定手法が確立された。発現解析が可能となつた。
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Strategy for Future Research Activity |
雌雄花芽でのサイトカイニン分解酵素の発現をしらべる。雄性両性同体性とサイトカイニンの消長との関連を調べ,因果関係を推定する。
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