2011 Fiscal Year Annual Research Report
間欠冷蔵処理がイチゴと花き種苗の花成反応に及ぼす影響
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23380019
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 裕一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (00141474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 丹十郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (40195938)
中野 善公 独立行政法人農業・食品産業産業技術総合研究機構, 花き研究所, 研究員 (50442819)
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Keywords | 炭水化物 / イチゴ / 花芽分化 / トルコギキョウ / パンジー / プリムラ / スターチス / 花成制御遺伝子 |
Research Abstract |
間欠冷蔵処理期間中のイチゴの炭水化物・窒素栄養状態の変化について調査した。無処理区では非構造炭水化物レベルが徐々に上昇する傾向にあり,連続処理区では乾物重が低下するとともに非構造炭水化物レベルが著しく低下した。それに対して,間欠処理区の炭水化物レベルは両者のほぼ中間であり,比較的高く維持されていたことが,安定した花芽の分化発達に寄与していることが明らかになった。また,非処理時の強日射が効果の発現に及ぼす影響は小さかったが,早朝に搬入搬出を行うと効果の低下が著しかった。 夏期に育苗する花卉の中で、トルコギキョウ、パンジー、スターチス、プリムラについて調査した。いずれの種類も、暗黒貯蔵と比較して、間欠冷蔵処理で高品質な苗が得られた。プリムラ、パンジーでは、間欠冷蔵処理により花成が著しく促進したが、トルコギキョウ、スターチスでは、花成誘導効果は小さかった。 分子生物学的側面からの解析では、シロイヌナズナやイネにおける花成制御の鍵遺伝子について、イチゴにおける相同遺伝子を単離した。イチゴではそれぞれの遺伝子についてパラログが複数個存在したことから、個々のパラログ毎に解析を行う必要が生じ、その実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
間欠冷蔵処理中のイチゴの生理状態が明らかになり,イチゴの花成関連遺伝子を単離が完了し、次年度以降の解析を行う準備が整った。また,夏季に育苗する花卉の中で、重要な花卉について、間欠冷蔵処理に対する反応をおおよそ把握できた.
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Strategy for Future Research Activity |
イチゴの花芽分化促進効果が不安定化する要因の解析を行い,炭水化物栄養との関係を明らかにするとともに,花成関連遺伝子の発現解析を進め,間欠低温処理の効果が発現する過程に関する技術理論の構築を進める。プリムラ、パンジーでは、最適な処理条件を明らかにする。トルコギキョウ、スターチスでは、効果が小さかった理由を明らかにする。シクラメンを含むその他の種類について、間欠冷蔵処理の効果を調査する。プリムラ、パンジーでは、最適な処理条件を明らかにする。トルコギキョウ、スターチスでは、効果が小さかった理由を明らかにする。シクラメンを含むその他の種類について、間欠冷蔵処理の効果を調査する。また,トルコギキョウの低温要求性に関与する因子の網羅的探索を行う。
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Research Products
(6 results)