2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規創農薬ターゲットの創出を目指した昆虫性決定カスケードの標的遺伝子の網羅的解析
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23380032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 雅京 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (30360572)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 性決定 / 性分化 / 性決定遺伝子 / 発生・分化 / 選択的スプライシング / CRISPR/Cas9 / de novo トランスクリプトーム / カイコ |
Research Abstract |
カイコはW染色体上に性決定のマスター遺伝子Feminizer(Fem)を持つと想定されている。我々は雌雄のトランスクリプトームの比較解析によってFemの同定を試みた。まずカイコにおいてFemが発現すると予測されるステージを特定するために、カイコの性決定時期の同定を試みた。その結果、さじ形期以降でImpとBmdsxの発現パターンに雌雄差が現れることが分かった。さじ形期に相当する卵より精製したtotal RNAをde novo トランスクリプトーム解析に供試した結果、雌で特異的に高い発現量を示したcDNAは149種類であった。これらの遺伝子について、常染色体とZ染色体にコードされるcDNAを除外した結果、10個のcDNAがW染色体由来であると推察された。これらの遺伝子についてゲノムPCRによる解析を行った結果、2つのcDNAがカイコとクワコのW染色体の遺伝子由来であることが判明した。我々はこれら2つの遺伝子をFemale Expressed Transcript-W-chromosome (FET-W) 1、FET-W2と名付けた。FET-W1、FET-W2の機能を推定するため、LNA/DNA gapmerを用いた機能抑制実験を行った。その結果、これらの遺伝子は、ImpMとBmdsxMの雌胚子における発現を抑制する機能をもつことが示唆された。以上の結果から、これら2つの遺伝子がFemの候補遺伝子であると推察できる。 一方ImpはFemの下流で働き、Bmdsxの雄型スプライシングに関与するとされているが、性決定にどの程度寄与するのか、個体レベルでの解析はなされていない。そこでCRISPR/Cas9システムを用いてImpのノックアウトを行ったが、変異体は得られたもののフレームシフトによる遺伝子機能欠損個体を得ることができなかった。引き続きノックアウト個体の作成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)