2011 Fiscal Year Annual Research Report
細菌ペプチドグリカン結合型カダベリンの合成制御並びに表層膜安定の分子及び原子機構
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23380046
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
神尾 好是 山形大学, 理工学研究科, 特任教授 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勲 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (70093052)
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30221188)
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Keywords | カダベリン / リジン脱炭酸酵素 / バクテリアアンチザイムP22 / C1pPプロテアーゼ / ポリアミン合成制御 / C1pX / ATP依存性セリンプロテアーゼ / Selenomonas ruminantium |
Research Abstract |
本研究課題は3年間で、Selenomonas ruminantiumにおけるPG結合型カダベリンの合成制御機構を並びにカダベリンのPGへの結合機構並びに生理機能を分子及び原子レベルで解明することである。最本年度は以下の事実を明らかにした。 [1]L10の特性解明並びに大量発現系の構築に成功した。さらに大腸菌リボソーム蛋白質RplJに欠損している上記AおよびB領域にS.ruminanantium由来のAおよびBペプチド断片を挿入してRplJ変異蛋白質を作製し、そして本変異蛋白質がLDCに対して結合活性および分解促進活性を持つか否かを検証し、両領域のL10機能の必須性を確認した。 [2]S.ruminantiumのカダベリン合成酵素であるLDC/ODCノ分解制御機構を解明した。研究代表者はNITEとの共同研究で、S.ruminantiumの全ゲノム配列を決定したので、これを参考に本菌からClpP型プロテアーゼ遺伝子を予測しクローニングを行い、大腸菌にクローニングした後、リコンビナント蛋白質を得た後、本プロテアーゼ活性を測定した結果、予想通りClpPがClpXと共同して、P22並びにATP依存的LDC/ODC特異的分解を触媒する酵素であることを発見した。 [3]Mep45のSLHドメインにおけるPG結合ポリアミン分子種変換による外膜-PG間結合に係るカダベリンの重要性を証明した。本菌の37℃での生育並びに形態は正常に見えたが、SDS(80・g/ml)あるいはnovobiocin(2・・g/ml)存在下では、野生株(C5)のみが生育可能であった。また43℃での生育についても野生株のみが生育可能であった。従って、これら3分子種のPGとMep45のSLHドメインとの親和性を温度等の条件を考慮して生菌においてはcrystal violet等、種々の色素の表層膜透過性について比較検討し、PG結合カダベリンの存在特異性の重要性を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した平成23年度における予定研究項目においては90%以上実績を上げた。実績は、上記[3]においては、J. Bacteriolにすでに発表し、さらに[1]および[2]においては、現在J. Bacteriolに投稿準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)LDC、L10およびプロテアーゼ3者間の無細胞系での相互作用を解明する。 (2)細胞壁PGのD-Glu残基におけるカダベリンの共有結合を触媒する新規細胞膜酵素 Lipid intermediate:diamine transferaseの生化学的及び構造科学的特性の解明する。そのためには、Lipid intermediate:diamine transferase遺伝子のクローニングを行う。 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は特にない。
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Research Products
(8 results)