2012 Fiscal Year Annual Research Report
細菌ペプチドグリカン結合型カダベリンの合成制御並びに表層膜安定の分子及び原子機構
Project/Area Number |
23380046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 生命科学研究科, 客員研究員 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 淳 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30221188)
田中 勲 北海道大学, 先端生命科学研究院, 特任教授 (70093052)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カダベリン / リジン脱炭酸酵素 / ClpPプロテアーゼ / ClpX / バクテリアアンチザイム P22 / リボソーム蛋白質L10 / ポリアミン合成制御 / Selenomonas ruminantium |
Research Abstract |
本研究課題は平成23年度から25年度までの3年間で、Selenomonas ruminantium におけるPG結合型カダベリンのPGへの結合機構および生理機能並びにカダベリンの合成制御機構を分子及び原子レベルで解明することである。 23年度は、[1] L10の特性解明並びに大量発現系の構築に成功し、プロテオバクテリアに存在しないAおよびB領域の重要性を明らかにした。さらに、[2] Selenomonas ruminantium 外膜に存在するMep45のSLHドメインにおけるPG結合ポリアミン分子種変換による外膜-PG間結合に係るカダベリンの重要性を証明した。 24年度は、[1] S.ruminantium のカダベリン合成酵素であるLDC/ODCの分解制御機構を解明した。研究代表者はNITE との共同研究でのS.ruminantium の全ゲノム配列を基に、ClpXP 型プロテアーゼ遺伝子のクローニング、並びに組み換えClpXPの精製に成功し、L10並びにATP依存的LDC/ODC特異的分解を明らかにした。さらに、[2]細胞壁PGのD-Glu残基におけるカダベリンの共有結合を触媒する新規細胞膜酵素Lipid intermediate:diamine transferaseの生化学的及び構造科学的特性の解明するために、Lipidintermediate:diamine transferase遺伝子のクローニングを試み、本遺伝子の単離及びクローニングに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した平成23年度における予定研究項目においては90%以上実績を上げた。23年度実績は、上記[2]においては、J.Bacteriolにすでに発表した。23年度成果[1]さらに24年度成果[1]および[2]においては、L10のLDC分解機構の生化学的解析が終了したらJ.Bacteriol.に投稿する。細胞壁PGのD-Glu残基におけるカダベリンの共有結合を触媒する新規細胞膜酵素Lipid intermediate:diamine transferaseの生化学的及び構造科学的特性の解明するために、Lipidintermediate:diamine transferase遺伝子のクローニングを試み、本遺伝子の単離及びクローニングに成功した。本遺伝子並びに遺伝子産物の詳細な解析を行ったら、J. Bacteriol.に投稿する。一方、高収率での可溶化L10の調整には未だに成功していない。これが成功しないと、LDC-L10複合体の結晶構造解析が進展しない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点は特にない。 [1] ClpXPシステムにおける L10依存性LDC分解機構の解明:(1)LDCにおけるC末端アミノ酸残基の変異株の取得:Bacteriophage Muのrepressor protein (Rep)がClpXPにより分解される機構で RepのC末端5アミノ酸残基(-VKKAV)のバリン残基(V196)はClpPXシステムによる分解に抵抗性を示し、変異株(V196A) は、感受性を示すことが明らかにされた[Mol.Microbiol.,67,920 (2008)]。興味あることに、LDCのC末端残基は-VKKAAVであることからアンチザイムL10結合によるLDCの分解機構におけるL10の役割はC末端バリン残基を介した安定構造を崩し、ClpXPシステムによる分解を活性化することが予想される。従って、LDCのC末端残基バリン残基をアラニンに変換した変異株を作製しClpPXシステムによる分解を試みる。(2)LDCならびにLDC変異株の結晶構造解析および[LDC-L10]複合体の結晶構造解析を行い、ClpXPシステムによる分解機構を解明する。 [2] Lonプロテアーゼの精製及びLDCの分解機構:S.ruminantiumにおけるATP依存性セリンプロテアーゼはClp系以外にLonプロテアーゼの存在が明らかになった。 従って本研究では、Lonプロテアーゼ遺伝子のクローニング後、組み換え体Lonプロテアーゼを精製し、L10依存性LDCの分解を試みる。 [3]L10の可溶化:これまで、L10の可溶化を試みているが、高回収率でのL10標品の調整には成功していない。N末端あるいはC末端にtag を付加した組み換え体L10の取得を試みる。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] AxR,an AraC family transcriptional activator of the xylanase 3 gene, requires xylo-oligosaccharides as a cofactor for DNA binding in Paenibacillus sp. strain W-61.2012
Author(s)
Fukuda, M., Yoshida, S., Itoh, H., Katoh, Y., Watanabe, S.,Itoh, Y., Kamio, Y., Kaneko, J.
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Journal Title
Biosci. Biotechnol. Biochem.
Volume: 76
Pages: 1051-1054
DOI
Peer Reviewed
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