2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380054
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
姫野 俵太 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80208785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武藤 あきら 弘前大学, 農学生命科学部, 研究員 (80034635)
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Keywords | RsgA / YjeQ / RbfA / リボソーム / GTPase / 浸透圧ストレス |
Research Abstract |
本研究は、リボソームの生合成(成熟)の過程におけるRsgA(リボソーム小サブユニットによって活性化されるGTP加水分解酵素)とRbfA(リボソーム小サブユニット結合タンパク質)に焦点をあて、両者の関係を明らかにすることを通して、巨大機能分子複合体リボソームの分子構築の原理」という難題の解明に新たな視点から手がかりを与えようとすることを目的とするものであり、また「リボソーム成熟という分子機能とストレス応答という生理機能との接点」という新たな視点から未知の細胞機能を探ることを目的とするものである。 本研究では、まず、大腸菌RsgA欠損株の復帰変異株を遺伝学的かつ生化学的に解析することにより、「RsgAが生合成途中のリボソーム小サブユニットからRbfAを追い出す」という機能があることを明らかにした。そして、RsgAのGTP加水分解活性の活性化を指標に解析することにより、RsgAはリボソーム単独よりもリボソーム/RbfA複合体をターゲットとすることを明らかにした。RsgAは未成熟のリボソームより成熟したリボソームを好むことから、リボソーム生合成の最終段階で働くものと考えられる。 一方、すでに我々はRsgA欠損株が高濃度の塩に対して抵抗性を示すことを明らかにしていたが、今回RbfA欠損株をはじめとする他のリボソーム生合成関連因子の欠損株も同じように塩耐性を示すことを明らかにした。この結果は、「リボソーム生合成の異常は細胞の塩耐性(浸透圧耐性)をもたらす」という一般的命題を提唱することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
修飾酵素以外のリボソーム生合成関連因子の機能を生化学的に明らかにした初めての例となった。また、「リボソーム生合成の異常は細胞の塩耐性(浸透圧耐性)をもたらす」という一般的命題を提唱することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.リボソーム小サブユニット上におけるRsgAのGTP加水分解活性の活性化の分子メカニズムを明らかにする。 2.RsgAの欠損による塩耐性(浸透圧耐性)のメカニズムを明らかにする。
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Research Products
(8 results)