2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河内 孝之 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 植物生理学 / 光受容 / フィトクロム / 環境応答 |
Research Abstract |
移動能は環境を正確に識別し応答することで成長の最適化をはかる。この応答には発生の遺伝的プログラムの制御、つまり遺伝子発現制御を伴うものがある。生存を光合成に依存する植物にとって、光は種々の環境因子のなかでも最も主要な環境因子である。日長は、植物にとって季節変化を知るための安定した情報となりうる。また、自然界では光が単独の情報として変化することは少なく、温度変化も伴う。長期の低温である冬の訪れや夜間の温度低下は、光情報にもとづいて予想することが可能となる。これまでにシロイヌナズナのフィトクロムB相互作用因子として、Vascular Plant One-Zinc Finger Protein (VOZ)を単離し、栄養成長から生殖成長への転換である花成における機能を昨年度報告した。今年度は、VOZの花成における作用の低温経路との関連と低温耐性獲得における機能を中心に今年度の解析を進めた。 VOZ1とVOZ2は冗長性にFLC遺伝子の発現抑制を介して、花成促進に機能すると考えられていた。これは長期の低温曝露による春化処理を与えることによって、voz1 voz2二重変異体の開花遅延が抑圧されたことから支持された。しかしながら、flc変異はvoz1 voz2表現型を抑圧しなかった。この原因はFLCのパラログの存在にあると考えられた。そこで、FLCパラログのMAF1からMAF5遺伝子の発現を解析したところ、FLCと同様の制御を受けていることがわかった。今回の結果はFLCクレードに属する遺伝子によって春化処理とVOZからの信号を統合することを示している。 次に、voz1 voz2変異体の凍結耐性を調べたところ、長日低温順化条件において野生型より高い凍結耐性を示した。野生型では長日低温順化処理によってVOZタンパク質量の蓄積には変化がなかったことから、この過程にVOZタンパク質の安定性は関与しないことが示された。以上の結果からVOZが花成および低温順化の過程での成長制御に関与することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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