2012 Fiscal Year Annual Research Report
組織内で変換・生成するビタミンK2の変換機構とその生理的役割に関する研究
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23380070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白川 仁 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40206280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 知子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00342783)
駒井 三千夫 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80143022)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | ビタミンK / メナキノンー4 / 生体内変換 / 抗炎症 / テストステロン産生 / 抗糖尿病作用 |
Research Abstract |
メナキノン-4(MK-4)の生体内変換の分子機構と新しい作用(抗炎症効果、インスリン分泌促進)の解析を行った。 1)MK-4生体内変換の反応機構の解析 ヒト肝癌由来培養細胞をもちいて構築したin vitro変換系において、Ubiad1以外の変換律速因子について解析した。ワーファリン存在下で変換反応を行ったところ、MK-4生成量は有意に減少した。このことから、本培養細胞におおける変換反応にビタミンKエポキシド還元酵素が関連していることが示唆された。また、マウス脳をスライス培養し、ビタミンK1からMK-4が生成することを確認した。この系を用いることによってビタミンK1の側鎖開裂に関わる因子を検索できると考える。 2)MK-4によるインスリン分泌促進作用の解析 ビタミンK欠乏飼料を30日間給餌したKKAyマウスの膵臓ランゲルハンス島を分離し、グルコース刺激によるインスリン分泌量を測定した。その結果、低グルコース濃度で刺激した場合、欠乏食群のインスリン分泌量が低下しており、欠乏マウスで見られる絶食時の血漿インスリン濃度と相関が見られた。 3)MK-4による抗炎症作用の分子機構の解明 MK-4刺激した培養細胞のコンディションメディウムは、抗炎症性を示す高分子成分が含まれている。これについて、コンディションメディウムを濃縮し、プロテオーム解析を行った。コントロールと比べると、コンディションメディウムに特異的なタンパク質が存在し、これらによって抗炎症性が発揮されている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス脳のスライス培養において、個体間、スライス間で、変換量にばらつきがあり、定量性を高める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
脳スライス培養系において、ビタミンK1の側鎖開裂に関わる因子の解析を進める。 コンディションメディウムに含まれる抗炎症性物質について、質量分析機を用いた解析を行い、変化の見られる因子の性状を明らかにする。 ビタミンK欠乏食を与えたマウスから膵臓ランゲルハンス島を分離し、グルコースに応答するインスリン分泌を引き続き測定するが、特に、ビタミンKを共存させた場合の影響について解析する。
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Research Products
(15 results)