2011 Fiscal Year Annual Research Report
菌類との相互作用に基づく種多様性維持メカニズムの解明と生態系機能に関する研究
Project/Area Number |
23380079
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清和 研二 東北大学, 農学研究科, 教授 (40261474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠二 独立行政法人国立環境研究所, 水土壌圏環境研究領域, 室長 (10300849)
深澤 遊 東北大学, 農学研究科, 助教 (30594808)
齋藤 雅典 東北大学, 農学研究科, 教授 (40355079)
梅木 清 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (50376365)
陶山 佳久 東北大学, 農学研究科, 准教授 (60282315)
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Keywords | 種多様性 / 病原菌 / 菌根菌 / ギャップ / ジャンゼン-コンネル仮説 / 内生菌 / 水浸透能 / 水源涵養機能 |
Research Abstract |
1.種多様性維持メカニズムの解明 落葉広葉樹2種(ミズキ、ウワミズザクラ)を対象に交互播種試験を行った。2種それぞれの母樹下(林内区)および母樹のすぐ横の木を伐倒して設置したギャップ区に2種の種子をそれぞれ播種し、翌春に発芽した実生の病原菌・菌根菌の感染率ならびに成長量・死亡要因を調べた。2種ともに林内区では、自種の母樹下で病原菌に攻撃されやすく、他種の母樹下では生き残る確率が高かった。これまでのジャンゼン-コンネル仮説を支持する結果が得られた。一方、ギャップ区では、両種ともに大きく成長し、ギャップではジャンゼン-コンネル仮説が支持されないことが明らかになった。ギャップ区における菌根菌への感染しやすさはく自種と他種で差は見られなかった。ギャップでは菌根菌が同種をサポートしていると言う仮説は今のところ支持されない。しかし、他種実生には葉の内部に内生菌が多く生息し、病原菌への抵抗性を高めている事が示唆された。内生菌として見られたコレトトリカム属菌が葉を加害する慎門葉枯れ病菌に対して抵抗性をもつかどうかを推定するために対峙培養を行なったところ、大多数の菌株で拮抗作用が見られた。これは、内生菌が他種実生の生存を助けている事を示唆している。 2.生態系機能の解明 間伐強度を3段階に変えた試験地(各0.6ha x 3反復)で、種多様性の回復度合と生態系機能の関係を調査した。A層土壌を深度別に採取し、水の浸透能を3処理区で比較した。下層植生の被度・高さ・種多様性、草本および広葉樹のリター量が大きいほど細根の分布密度や土壌の空隙率が高くなり、表層の水浸透能が高くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試験地の設定・調査も滞りない。病原菌と菌根菌の特定に時間がかかっており、今年度は特定した菌類を使った接種試験を大規模に行なう予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
内生菌が重要な役割を果たしている事が分かって来たので、内生菌の種類や機能についても明らかにする予定である。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Roles of thinning intensity in hardwood recruitment and diversity in a conifer, Criptomeria japonica plantation : A five-year demographic study2012
Author(s)
Seiwa, K., Yukino Etoh, Masahiro Hisita, Kazuhiko Masaka, Aya Imaji, Naoto Ueno^1, Yoichi Hasegawa, Miki Konno, Hiroshi Kanno, Megumi Kimura
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Journal Title
Forest Ecology and Management
Volume: 269
Pages: 177-187
Peer Reviewed
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