2013 Fiscal Year Annual Research Report
温帯性Bambooの開花周期はなぜ長いのか?ジェネット混在型競争回避仮説の検証
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23380088
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (60315596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 準一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00291237)
齋藤 智之 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (00414483)
陶山 佳久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60282315)
井上 みずき 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (80432342)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / タイ / Bamboo / ジェネット構造 / 開花習性 / 近交弱勢 / 遺伝的多様性 |
Research Abstract |
本研究は、温帯域のBambooの開花周期が熱帯域に比べて著しく長いことの理由を説明するために、その要因として、タケササ類のジェネット空間構造に着目し、有性繁殖時の繁殖成功度を推測することで、温帯性bambooのジェネット混在型構造が開花周期の長期化に寄与しているとの仮説を検証しようとするものである。 本年度は1)ササ個体群のジェネット空間構造の種特性の解明、2)熱帯性タケ類のジェネット構造と開花習性、3)ササの小面積開花の適応的意義の解明、4)一斉開花したチュウゴクザサ実生由来個体群の遺伝的構造の変遷に関しての調査の継続を行った。熱帯性タケ類の解析については、解析手法の開発にやや時間がかかったために、最終的な結果は出ていないが、方法を確立することができ現在解析を進めている。また、熱帯と温帯のbambooのもっとも大きな違いであるジェネット構造の違いが開花習性の長期化にどう影響するかについての理論的な検討も進めており、近く発表できる形にまとめることができた。小面積開花についてもジェネット構造に注目して調査を続けており、開花が少数ジェネットの一部分が開花していること、また、小面積開花でも種子生産ができることや実生の発生が見られる場合があることを明らかにし、近々発表できる所まで進めることができた。また、一斉開花したチュウゴクザサ集団において、親世代のジェネットサイズと繁殖成功度との関係を確認することができ、ジェネットが入り交じる”ジェネット混在型構造”がBambooの開花習性に大きな役割を占めていることが明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱帯性タケ類と温帯性タケ類とのジェネット構造の違いと開花習性の違いに関連があるかどうかを明らかにすることが本研究テーマであるが、これまでに得られている知見をもとに、開花習性の進化に関する理論的解析を進めており、すでに論文投稿する段階にまで来ている。また、多ジェネットが多数混在する構造をもつササ類の一斉開花の際のジェネットサイズと繁殖成功度との関係について、及び、小面積開花のジェネット構造の特徴についても論文投稿の段階に来ており、まだ受理はされていないものの、近々公表できる段階になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本課題の最終年であり、現在投稿中の論文3報を受理されるように努力すると共に、温帯域と熱帯域のジェネット構造についての成果をとりまとめて、最終的にジェネットが混在することが繁殖成功につながることを明らかにしたい。
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Research Products
(14 results)