2012 Fiscal Year Annual Research Report
アクチノリザル樹木ジアリールヘプタノイドの生合成とフランキアとの共生機構の解明
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23380098
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
河合 真吾 静岡大学, 農学部, 教授 (70192549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 高史 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, 研究員 (00343799)
西田 友昭 静岡大学, 農学部, 教授 (10252165)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アクチノリザル樹木 / ジアリールヘプタノイド / フランキア / 窒素固定 / ケミカルコミュニケーション |
Research Abstract |
ヤマモモおよびオオバヤシャブシTotal RNAを用いた次世代シーケンシングによって得たデータを解析し、ヤマモモおよびオオバヤシャブシの環状ジアリールヘプタノイド(CDAH)遺伝子の単離を行なった。具体的には、次世代シーケンシングデータのBlast+による植物III型ポリケチドシンターゼ(PKS)遺伝子のスクリーニングを行い、候補となる遺伝子断片をヤマモモおよびオオバヤシャブシで数個ずつ選抜した。系統樹解析によるCDAH遺伝子をヤマモモ、オオバヤシャブシで各1種選抜した。 一方、オオバヤシャブシへのフランキアとの共生機構の解明については、オオバヤシャブシ根部材部および樹皮部メタノール抽出物、およびオオバヤシャブシより当研究室で近年単離構造決定した新規環状ジアリールヘプタノイドの、1)フランキアニトロゲナーゼ活性に対する影響と、2)フランキア存在下でのオオバヤシャブシ実生苗の生長と根粒形成に対する影響を検討した。その結果、根樹皮部およびジアリールヘプタノイドの添加は、1)フランキアのニトロゲナーゼ活性を向上させる(窒素固定能の上昇)と、オオバヤシャブシ実生苗の成長促進と根粒形成を引き起こした。しかしながら、窒素源無添加培地にてフランキアを培養しているため、菌体成長量が低く、値にばらつきが多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子の特定に関しては、若干遅れているものの順調に進んでいると考えている。一方、フランキアとの相関については、やや遅れていると判断している。その理由については、菌体成長量が思いのほか悪く、一回の実験のスパンの長さや、各ロットの値のばらつきが大きく断片的なデータしか得られていないことにある。菌体成長速度と量について改善する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子の発現に関しては、全長遺伝子の取得が間近であり、本年度中に発現と反応機構について結果が得られると考えている。全長遺伝子取得後は、大腸菌発現系でタンパク質を発現し、気質を用いた酵素反応によって、環状ジアリールヘプタノイドシンターゼであるかどうか確認する予定である。一方、フランキア共生に関しては、菌体成長量を促進するために、窒素添加量とニトロゲナーゼ活性の相関について徹底的に検討し、データのバラつきを抑えた後、再度抽出成分の影響を行うことで、ケミカルコミュニケーション物質の特定を完了したいと考えている。
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Research Products
(4 results)