2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢野 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (80192392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 賢太郎 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20402935)
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Keywords | セルロースナノファイバー / 解繊手法 / 高圧ホモジナイザー / グラインダー / ビーズミル / 二軸混練機 / 解繊性 / 結晶性 |
Research Abstract |
本研究は、高圧ホモジナイザー、グラインダー、ビーズミル、二軸混練機といった様々なセルロースナノファイバー製造技術について製造したナノファイバーのTEM/SEM画像、結晶性、熱分解挙動、沈降性、水分散液粘度、繊維複合透明樹脂材料の直線透過率や強度特性などか各製造技術の長所、短所を明らかにし、用途別にコスト/パフォーマンスに優れたナノファイバー製造技術を明らかにするものである。 本年度は超高圧ホモジナイザー法およびグラインダー法にポイントを絞り、サンプル調整法、評価条件について検討した。試料にはリファイナー処理した漂白針葉樹クラフトパルプを用いた。パルプ分散水溶液の処理濃度については、安定してナノ解繊できる濃度として1wt%が適当であることが明らかになった。X線解析による結晶性評価、熱重量分析による熱分解挙動のためのサンプル調整法については、送風乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライ法でナノファイバーを乾燥し、結晶性、熱分解挙動を評価したところ、熱分解挙動は試料乾燥法によって異なることが明らかになり、TGA評価にはセルロースナノファイバーの凝集が少ない凍結乾燥法や低濃度でのスプレードライ法が有効であるといえた。また、超高圧ホモジナイザー処理およびグラインダー処理ナノ解繊の程度を評価する手法としての沈降性、水分散液の粘度および樹脂複合体の直線透過率の妥当性について検討し、それぞれの関係から、次年度以降の評価条件を決めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、高圧ホモジナイザー、グラインダー、ビーズミル、二軸混練機といった様々なセルロースナノファイバー製造技術について用途別にコスト/パフォーマンスに優れたナノファイバー製造技術を検討するものである。 本年度は、熱分解温度や結晶性などを正確に評価するために、サンプル調整法や評価手法の検討を行い、次年度からの本格的評価に向けた準備を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果に基づき、次年度は、4種の解繊手法について、処理回数と解繊度合の関係、処理回数とセルロースナノファイバーの結晶性、平均分子量、強度、耐熱性の関係を明らかにする。
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