2013 Fiscal Year Annual Research Report
微細組織でのリグニン蓄積と生合成遺伝子発現解析よる詳細な木化過程の解明
Project/Area Number |
23380102
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堤 祐司 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30236921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 弘毅 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90264100)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リグニン / 生合成 / 遺伝子 / 発現解析 / 微細組織 / レーザーマイクロダイセクション / Py-GC/MS |
Research Abstract |
本研究では、異なる種類の細胞や細胞壁形成過程の異なる細胞を顕微鏡とレーザーメスにより採取し(レーザーマイクロダイセクション法)、そこに存在するリグニンおよびリグニン生合成中間体、ならびにリグニン生合成遺伝子の発現を網羅的に解析する。本研究によって、これまでには全く情報を得ることができなかった、『どの細胞にどの遺伝子がどの程度発現し、そこで生成されるリグニンや生合成中間体の組成との関係を正確に関連づける』ことが可能となる。ここで得られる「樹木のリグニン生合成過程に関する知見」を集積することにより、「リグニン改変木質バイオマスの創成と安定供給」への基盤的知見を形成することを目的とした。 リグニン生合成遺伝子のクローニングとLMD切り抜き細胞からのmRNA調整ならびに遺伝子の転写解析を行った。その結果、COMT, CCoAOMT, および CADは形成層帯および細胞壁肥厚帯においてリグニンの蓄積に先駆けて発現し、その発現量も大きかった。一方で、CCRや4CLの発現量は小さく、木化部で若干高い発現が見られた。CCRはリグニンに生合成特異的経路に位置することから、CCR遺伝子がリグニン生合成の調整段階になっている可能性が示唆された。また、グアイアシルリグニン生合成とシリンギルリグニン生合成の分岐点となるF5Hの発現量は非常に低く、放射柔細胞での特異的発現を示唆する結果が得られた。一方、LMDサンプル0.1平方mmでリグニンの定量分析可能な技術を確立した。本技術用い形成層帯から木化進行中の組織におけるリグニンβ-O-4結合由来の分解物の定量的に解析を行った結果、リグニン形成の初期段階で既にシリンギルリグニンが形成されていることが明らかとなった。さらに、紫外線顕微鏡やモイレ染色等ではすでに木化が完了していると思われる組織でもリグニンの蓄積や構造変化は続いている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)