2011 Fiscal Year Annual Research Report
サケの母川水ニオイに対する嗅覚記憶脳内分子に関する研究
Project/Area Number |
23380106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
上田 宏 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (00160177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 雅彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70210945)
天野 勝文 北里大学, 海洋生命科学部, 教授 (10296428)
飯郷 雅之 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (10232109)
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Keywords | サケ / 母川水ニオイ / 嗅覚記憶 / NMDA受容体 / 神経ホルモン |
Research Abstract |
我国の重要な水産資源であるサケは、稚魚期に記銘された母川水のニオイを頼りに親魚が繁殖のため母川回帰する。サケの母川水ニオイに対する嗅覚記憶機構を解明するために、嗅覚記憶に関連する脳内分子について次の5点に着目して研究を行い、平成23年度の実験により下記のような成果を得た。 1)サケ脳のNMDA受容体遺伝子の解析:ヒメマスのNMDA受容体遺伝子サブユニットGluN1とGluN2(A,B,C,D)の塩基配列を解析し、GluN1は2400bp、GluN2(A,B,C,D)は各1500bpの解読を行い、in situハイブリダイゼーション法により発現部位の観察、およびリアルタイムPCR法により発現量を解析する準備を進めている。 2)サケ稚魚の母川記銘時のTRHとNMDAの役割:シロザケのTRHおよびTRHレセプター(TRHR)遺伝子の発現量を測定する実験系を立ち上げている。 3)サケ親魚の母川想起時のGnRHとNMDAの役割:ヒメマス親魚の脳各部におけるsGnRHとcGnRH-IIホルモン量の変動を時間分解蛍光測定法でマルチラベルプレートリーダー【平成23年度購入備品】により測定し、sGnRHとcGnRH-IIホルモン量が脳各部位において性成熟期に増加することを解析した。また、MNDA添加によりsGnRHの分泌量が増加することを解析した。サクラマスのsGnRHとcGnRH-II遺伝子情報に基づき、ヒメマスのsGnRHとcGnRH-II遺伝子の解析準備を進めている。 4)NMDA受容体阻害剤がサケの嗅覚記憶に及ぼす影響:ヒメマス1歳魚を用いてNMDA受容体の競合阻害剤のD-AP5と開口チャネル阻害剤のMK-801投与実験による人工記銘実験の予備実験を行っている。 5)他河川迷入サケの嗅覚記憶の解析:耳石温度標識された千歳川水系のシロザケを用いて、豊平川および漁川への迷入率を解析する準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に行う予定であった、5つの研究項目に関する実験を開始するとともに、次年度の研究の準備を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策)平成23年度に得た実験結果、および準備した実験を着実に実行していく。他河川迷入サケの嗅覚記憶の解析は、洞爺湖のヒメマスを用いて新たな実験系を開発する。 (次年度の研究費の使用計画)洞爺湖のヒメマスを用いて他河川迷入サケの嗅覚記憶の解析を行うため、Pitタグシステムの導入を検討する。
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Research Products
(11 results)