2011 Fiscal Year Annual Research Report
藻場バイオマスモニタリングのための音響計測手法の開発
Project/Area Number |
23380108
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮下 和士 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70301877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 暢夫 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (50186326)
藤森 康澄 北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40261341)
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Keywords | 藻場 / 計量魚探 / アマモ場 / ガラモ場 / コンブ場 / 沿岸生態系 / 音響調査 / 分布面積 |
Research Abstract |
平成23年度は、計量魚探を用いた藻場音響調査を北海道の厚岸湖(10月23~28日)および福島町沿岸(11月8日)、青森県の下北半島尻屋沿岸(11月8,9日)、京都府の宮津市沿岸(11月15日)で実施した。厚岸湖ではアマモの大規模群生地が確認され、福島町沿岸および下北半島尻屋沿岸では、コンブの分布が確認されたと同時に、磯焼けが広がる海域も確認された。宮津市沿岸では、ガラモ場とアマモ場が確認され、それぞれ計用魚探情報から判別が可能であることが示された。藻場の厚み(高さ)は、厚岸湖では0.3~1.4mの範囲であり、福島町沿岸もまた0.3~1.4mの範囲であった。福島町沿岸では藻場の高さは70cm以下のものが8割を占め、そのほとんどが15m以浅に分布していた。下北半島尻屋沿岸では、0.3~1.9mの範囲であり、平均0.4mと本海域では背丈の低い1年目のコンブが生息していたと考えられる。これら藻場からの反射強度を面積当りで算出した結果、下北半島尻屋沿岸ではSa(単位面積当たりの反射強度)は最大-30dB、平均-46.7dBであり、厚岸湖では最大-42.29dB、平均-48.0dBであった。宮津市沿岸では、アマモ場が0.4~0.7m、ガラモ場が0.5~1.7mの範囲であった。また、藻場の分布面積を宮津市沿岸のデータから推定した。その結果、調査海域面積0,23km^2に対して、アマモ場は0.04km^2ガラモ場は0,03km^2であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型計量魚探を活用したことで、藻場調査を順調に実施することが出来た。その結果、藻場の判別に必要な各種藻場の定量的な音響情報が多数集まった。また、底質の情報も同時に収集することが出来たため、これらを藻場情報と併せることで今後の藻場の計量魚探による判別精度の向上が大いに期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は引き続き計量魚探を用いた藻場の音響調査を実施す同時に、得らわた情報を活用した藻場判別抽出のアルゴリズムの改良を実施する。また、分布面積推定精度を向上させると同時に、藻場の密度換算法を開発する。加えて、藻場調査を実施する海域の中からモデル海域を選定し、藻場バイオマスと環境との関係について定量的に考察する。えられた結果については国内外の学会で適宜発表する。
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Research Products
(4 results)