2012 Fiscal Year Annual Research Report
緑藻由来特異カロテノイド、シフォナキサンチンの抗肥満作用とその機構解明
Project/Area Number |
23380124
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平田 孝 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40273495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 達也 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70378818)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | カロテノイド / 食品機能性 / 抗肥満作用 / 緑藻 |
Research Abstract |
本研究は、「特異」カロテノイド、シフォナキサンチンの抗肥満作用を明らかにし、機能性食品や医薬品としての有効性を探るとともに、シフォナキサンチンの特異構造に基づく新規作用機構を見いだすことを目的とした。そのために本年度は、前駆脂肪細胞である3T3-L1細胞を用いてシフォナキサンチンが脂肪細胞の分化や成熟に与える影響を評価した。 乾燥したミル(Codium fragile)を粉砕し、アセトンを加え、4℃で一晩静置した。得られた抽出物をシリカゲルクロマドグラフィー およびHPLCに供し、シフォナキサンチンを精製した。マウス由来3T3-L1細胞を脂肪細胞に分化誘導した時のシフォナキサンチンの影響を調べた。脂肪細胞分化に関連する遺伝子発現の経時的な変化は、リアルタイムRT-PCR法によって評価した。細胞内脂肪滴はOil-red O染色を用いて定量した。また、分化した脂肪細胞の脂質代謝に与えるシフォナキサンチンの影響についても検討した。脂肪細胞に分化させた3T3-L1細胞にシフォナキサンチンを添加し、細胞内脂肪滴に与える影響を調べた。また、リアルタイムRT-PCR法を用いて脂質合成と分解に関連する遺伝子発現レベルを評価した。 その結果、脂肪細胞分化マーカーであるC/EBPɑ、PPARγ-2、SCD-1及びaP2のmRNA発現レベルは脂肪細胞分化の進展とともに増加し、シフォナキサンチン添加により有意に低下した。さらに、分化した脂肪細胞でもシフォナキサンチンの添加により細胞内脂質蓄積量が減少し、脂質代謝に関する遺伝子LPL、FAS、ACCのmRNA発現も有意に低下したことから、シフォナキサンチンは成熟脂肪細胞の脂質代謝を促進する可能性も示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前駆脂肪細胞の分化抑制機構について、遺伝子発現変動レベルで明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進め、次年度は動物実験による生体レベルでの評価を行う。また、培養細胞を用い、より詳細なメカニズムの解明を目指す。
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