2011 Fiscal Year Annual Research Report
農業用RC開水路の機能保全に向けた対策工法選定の最適化に関する研究
Project/Area Number |
23380143
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松本 伸介 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (00181769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 資博 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (60093655)
佐藤 周之 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (90403873)
松岡 真如 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (50399325)
横井 克則 高知工業高等専門学校, 環境都市デザイン工学科, 准教授 (80240183)
齋 幸治 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (30516117)
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Keywords | 農業用RC開水路 / 機能保全 / 対策工法 / 補修・補強 |
Research Abstract |
本研究課題では,我が国の農業を支える農業水利施設の戦略的な保全管理の実現を目指し,特に長期供用された中・小規模の鉄筋コンクリート開水路を対象として,対策工法の水理性能および構造性能を中心とした妥当な性能の規定化を目的としている。本年度に取組む研究副課題は以下のとおりである。 (1)中・小規模農業用RC開水路に対する機能保全事業の実態検証 (2)対策工法に要求する性能および現行技術の特色の分析 (3)農業用RC開水路を対象とした簡易補修材料の開発 (4)水理性能における粗度係数の性能評価指標としての妥当性の検証 (5)農業用RC開水路に最適な補強工法用材料の開発 (1)および(2)については,対策工法の現状と要求性能の規定化の把握を進め,かつ特に補修を中心とした対策工法の品質規格に関する情報の収集を行った。(3)については,簡易補修となるような材料開発として,一般に旧躯体と補修材の接着を良くするプライマーを不要とし,かつ高い接着性ならびにひび割れへの抵抗性をもつ材料開発を進め,実環境条件下での実証試験を開始した。(4)については,粗度係数そのものの評価方法に関する実験・解析的な研究を進めることができた。また,長期供用したコンクリート水路表面の粗さを簡便に数値化する方法を確立することができた。さらに,リモートセンシング技術を応用した動水勾配の推定方法に関しての検討を進めることができた。(5)については,補強効果を持つセメント系材料の開発ならびに性能評価として,従来のポリマーセメントに耐アルカリガラス繊維ネットを導入して曲げ耐力向上を図る方法や,PE/PP繊維を添加した材料の力学的特性ならびに破壊特性に関する実験を進めることができた。 上記研究は当初予定通り次年度も継続する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に掲げた本年度計画は全て着手しており,当初予定通りの成果も挙げている。また,研究成果報告からも分かるように,本研究課題の遂行により得られた知見の公表も鋭意積極的に進めている。以上理由により,平成23年度は研究目的をおおむね達成し,研究全体も順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,次年度(平成24年度)は複数回の会議を開く予定である。目的は,研究分担者ならびに研究協力者を交え,各研究副課題の進捗状況の報告ならびに意見交換を実施することにより,より研究の進展を加速させるためである。また,鳥取大学農学部の助教である兵頭正浩氏を研究分担者として迎え,特に副課題(5)に関する研究活動を共に進めていく予定である。
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Research Products
(21 results)