2011 Fiscal Year Annual Research Report
インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊検出装置の開発
Project/Area Number |
23380148
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中野 和弘 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70188994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 慎太郎 新潟大学, 自然科学系, 助教 (70452076)
中野 隆之 鹿児島純心女子大学, 看護栄養学部, 教授 (30155783)
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Keywords | インフルエンザ / ワクチン / 有精卵 / 非破壊検査 / LED / 検卵装置 / 透過光 |
Research Abstract |
本課題では、インフルエンザワクチン製造に用いる有精卵のうち、原料として不適な鶏卵を迅速・非破壊的に検出する装置を開発する。ワクチン製造工程に不適な原料卵(主に生育途中で死亡した中死卵)の混入によりワクチン培養液が汚染されると、一度に数千人分ものワクチン原液を廃棄しなければならないため、ワクチン製造不適卵検出装置の開発が喫緊の課題となっている。 本研究課題は、ワクチン製造不適卵を特定の光透過特性等により無侵襲で非破壊的に、しかも搬入された有精卵の全量について検卵する装置を開発するものである。当該年度の研究項目と実績は、以下の通りである。 (1)LED光源で正常卵と不適卵を判別するための透過光の特性を把握した。(2)分光分析器を不要とするための単一波長LED光源を選定した。(3)養鶏場からの搬送用トレイ(6行×6列=36個の鶏卵を収納)のままで検卵するための精度評価方法を検討した。(4)中死卵の他に、気室異常卵、発育不良卵などの不適卵を判別するアルゴリズムを検討したが、中止卵以外の不適卵は発生数が少ないことから当面は中死卵に集中することにした。(5)鶏卵底部からの照射光源が隣接する鶏卵にどの程度干渉するのかを検討した。(6)以上の検討結果を基に、インフルエンザワクチン製造不適卵の非破壊検出装置のハードウェアとソフトウェアの仕様を決定し、専門メーカーに作成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(理由)成育途中で死亡した有精卵(中死卵)を判定する光源波長は従来の分光計では特定できたが、LED光源で透過特性の決定に係る実験を行ったところ、市販のLED光源の輝度値にバラツキが多く、輝度値の安定化に必要なデータ特定に予想以上の時間を要したため。 なお、この課題については、LED光源の照射発光立ち上がり時間内で安定輝度値を得る方法を確定した。
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Strategy for Future Research Activity |
プロトタイプの非破壊検出装置が準備できたので、大量の供試卵による実用化実験を繰り返しながら、アライメントの開発及び計測システムの効率化と高速化を図る。 さらに、不適卵判別率向上のために有精卵の生理学的評価を進める。 国内外の学会等で講演発表するとともに、本検出装置の有用性をアピールしパンデミック(インフルエンザの世界大流行)の防止技術として国際貢献を図る。
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