2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍物質を産生する共生型渦鞭毛藻の環境応答解明およびその高速大量培養法の開発
Project/Area Number |
23380151
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60169886)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 良輔 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (10409146)
|
Keywords | 渦鞭毛藻 / 微細藻 / CO2 / O2 / 光合成 / 比増殖速度 |
Research Abstract |
抗腫瘍性物質であるアンフィジノリド類を産生する海産共生型渦鞭毛藻の細胞増殖を促進する培養条件を求め、藻類の効率的大量高密度培養技術を確立することを目的として研究を行った.細胞数の計測による評価方法を用いて,培養時の光強度,光質、温度、CO_2・O_2濃度、培地成分濃度が藻類の増殖速度におよぼす影響について検討した. その結果,(1)蛍光灯照明下で増殖速度を最大とするPPFDは、30~70μmol m^<-2> s^<-1>となり、その時の比増殖速度は0.025h^<-1>となった。(2)PPFD 60μmol m^<-2> s^<-1>の場合,赤色光、青色光、緑色光の比4:1:1の光質の組み合わせが最適であり、その時の比増殖速度は0.033h^<-1>となった。(3)海水塩濃度1~4%において、3.3%での比増殖速度が最大となる傾向があった。海水塩濃度1%では比増殖速度は大きく低下した。(4)無機塩について、N・P・Kを含む農業用液体胆料(園試処方)の添加したところ、濃度15~31.5mg/Lでの比増殖上速度が農大となった。(5)培地温度26℃において、比増殖速度が最大となった。(6)O_2濃度5%およびCO_2濃度0.05-0.1%において、比増殖速度が最大となった。特にO_2濃度については、比増殖速度は5%O_2>0.3%O_2>21%O_2の順に大きかった。 以上のことから、次年度以降に計画している人工光を用いた海産共生型渦鞭毛藻の大量高密度培養システムを構築する上で、培養条件に関する有用な知見が得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
藻の増殖を最大にするO_2濃度が5%であることなど、興味深い結果が得られているが、当初に計画した圧力の影響解明については、耐圧培養器の制作が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
耐圧培養器の制作を早急に進め、今年度6月までには、渦鞭毛藻の増殖に及ぼす圧力の影響を解明する。その他は、当初計画通りに進めていく。また、今年度は国際会議、国際雑誌への投稿を含めて、研究発表を積極的に行う。
|