2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍物質を産生する共生型渦鞭毛藻の環境応答解明およびその高速大量培養法の開発
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23380151
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
北宅 善昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (60169886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 良輔 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (10409146)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 渦鞭毛藻 / 藻類培養システム |
Research Abstract |
抗腫瘍性物質であるアンフィジノリド類を産生する海産共生型渦鞭毛藻の細胞増殖を促進する培養条件を求め、藻類の効率的大量高密度培養技術を確立することを目的として研究を行った.平成24年度は、環境因子が渦鞭毛藻の増殖および有用成分の生産に与える影響を精査し、有用成分の大量生産に最適な高密度培養システムを構築するための知見を得た。 1. 渦鞭毛藻の増殖速度が最大となる培養条件の解明 23年度に培地量0.03 mLの水滴培養による実験系で得られた最適培養条件を、大量生産可能な培養系に展開する。実用的な高密度培養システム開発のための基礎実験として、0.5 Lの培地容量を持つ培養器を用いて、飛躍的に効率の高い細胞増殖条件を確立した。 2.渦鞭毛藻の大量生産に最適な高効率光利用型培養システムの構築 細胞増殖に大きく影響する光照射システムについて検討する。付着性渦鞭毛藻の培養用として、容積1 L、最大培地深65 mmの培養槽を用いて、光を培養槽内に均一に拡散させて藻類を大量培養する方法について検討した。その結果、細胞増殖を促進できる環境条件を維持できる培養システムを試作し、有用成分の分析に供試できるに足る量の細胞を生産する手法の目処が付いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度には、有用成分の生産速度が最大となる環境条件の解明を計画していたが、藻細胞の大量培養システムの構築が遅れたため、藻細胞内で産生する有用成分含有量を求めるための十分な量の藻細胞が生産できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、大量培養システムを完成し、十分量の藻細胞を生産することにより、細胞の増殖速度のみならず、有用成分生産速度を高める環境条件を求める予定である。また現在、人工光で行っている高効率光利用型培養装置を用いた藻細胞の生産を、太陽光利用型に応用し、低コストで細胞増殖速度を高めると同時に有用成分の産生速度を高めることができる環境を維持できる実用規模の大量培養システムを構築する。
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Research Products
(1 results)