2013 Fiscal Year Annual Research Report
低メタン産生牛の特定をめざしたルーメン菌叢プロファイリング指標の確立
Project/Area Number |
23380156
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小林 泰男 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50153648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 聡 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90431353)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メタン低減 / 地球温暖化 / ルーメン / 菌叢 / 個体差 |
Research Abstract |
本研究では、メタン低減剤への反応が大きいウシとそうでないウシのルーメン菌叢を網羅的に比較し、「低メタン生成を導く菌叢特定(ウシ選抜)の指標を開発する」ことを目的としている。メタン低減剤に対する反応の異なるウシ(乾乳牛)3頭からルーメン内容物を採取し、菌叢解析を実施した上で、メタン低減率が大きいウシの特徴づけを試みた。その結果、メタン生成量とリンクする2つの菌群を特定できた(真正細菌群OTU95およびメタン生成古細菌群mOTU35)。 前者はSuccinivibrio dextrinosolvens に系統的に近いもので、メタン生成量が増加するにつれ存在量が減少した。一方、後者は未培養のものであり、メタン生成量が増加するにつれ存在量も増加した。これらの相関が試験乾乳牛3頭に限定的な現象なのか、反芻家畜全般に普遍的なものかを知るために、泌乳牛、ヒツジ、タイ在来牛、沼沢水牛を材料とした検証を実施した。OTU95存在量とメタン生成量との負の相関は乾乳牛以外では有意でなかった。一方、mOTU35存在量とメタン生成量の正の相関は、乾乳牛以外に、タイ在来牛および沼沢水牛でも有意であった。さらにmOTU35とプロピオン酸生成量との間で有意な負の相関が乾乳牛およびタイ在来牛で見られた。メタン低減はプロピオン酸増強と同時に見られることが一般的であり、この一連の結果は、mOTU35がメタン生成におけるコア菌群であること、その減少と同時にプロピオン酸生成に関与する菌群が相対的に増加している可能性があることが示唆された。 以上、最終年度で前年度に特定した菌群が普遍的に反芻家畜ルーメンに存在し、少なくとも乾乳牛、タイ在来牛と沼沢水牛においては、メタン生成能が特定菌群存在量により左右されることを示した。換言すると、mOTU35の存在量を制御できればメタン低減を導ける可能性があることを示す成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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