2012 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞と次世代ゲノム変異導入技術を利用した新たな動物育種システムの構築
Project/Area Number |
23380157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福田 智一 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (40321640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上西 博英 独立行政法人農業生物資源研究所, 家畜ゲノム研究ユニット, 主任研究員 (80391556)
盧 尚建 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90322130)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 人工多能性幹細胞 / ブタ |
Research Abstract |
ゲノム挿入を生じないブタiPS細胞を一過性発現のプラスミド導入によって樹立を試みた。遺伝子の一過性発現後に、細胞の凝集塊が認められ幹細胞のコロニー様形態を示した。実体顕微鏡下にてピックアップを行ったが、その後に細胞増殖が認められず株化するには至らなかった。一過性の発現のために、長期に渡って導入遺伝子の発現の継続が必要と予想された。この結果に従い、iPS細胞を樹立した後にゲノムから発現カセットを切り出しが可能なトランスポゾンを用いたブタiPS細胞の樹立を行った。新たにトランスポゾンベクターを作成した。Oct3/4, Sox2, Klf4, Lin28およびNanogのcDNAを全て2Aペプチドで連結し、発現構築を作成した。Oct3/4, Sox2, Klf4, c-mycおよびLin28とNanogを単一ベクターにて導入した細胞はコロニーを形成し、合計2株のトランスポゾンを用いたブタ由来iPS細胞の樹立に成功した。樹立したコロニーはアルカリフォスファターゼ活性を示し、SSEA1は陰性であったがSSEA4に関して陽性を示し、従来組み換えウィルスを用いて樹立したブタiPS細胞と同様の性質を示した。得られた細胞はヒトや霊長類の人工多能性幹細胞とは異なり、シングルセルに酵素によって単細胞化してもアポトーシスを生じない、FGFに依存せずに増殖する性質を持っていた。この性質はヒトとマウスの丁度中間のような性質と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一過性の遺伝子発現によってiPS細胞を樹立出来ると考えていたが、現実には一度ゲノムに組み込みを行い、その後に切り出す方法でしか樹立が難しいことが判明した。予想に反する結果によって、最適化に時間がかかったことが遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスポゼースを導入し、ブタiPS細胞から発現カセットの除去を行い元のゲノム情報をそのまま保持したブタiPS細胞の樹立を行う。加えて得られた網羅的遺伝子発現解析の詳細な解析を進める
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