2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松井 徹 京都大学, 農学研究科, 教授 (40181680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟場 正幸 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40238655)
熊谷 元 京都大学, 農学研究科, 准教授 (50221940)
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Keywords | 筋線維型 / Pgc1α / 飼料 / 肉色 |
Research Abstract |
牛肉の品質を決定する重要な要因の一つに肉色がある。筋線維は色調の異なる赤筋と白筋に大別できる。したがって、飼養管理による筋線維型のコントロールは、消費者が好む肉色を意図して作出することを可能にする。 Pgc1αは筋線維型決定において中心的な役割を果たす転写調節因子である。Pgc1αの機能制御は転写を介した発現量の調節によっても行われていることから、Pgc1αの転写活性を指標として、筋線維型を調節し得る飼料の探索を試みた。 Mouse Pgc1αの転写開始点の上流2553塩基から転写開始点の下流78塩基までの領域をluciferaseのコード領域の上流に挿入したmouse Pgc1α(-2553)-luc、と同様の設計でbovine Pgc1α(-2370)-lucを構築した。Pgc1αはforskolinで転写が活性化されること、ならびに筋細胞分化で中心的な役割を果たすMyoD依存的な転写促進が報告されているので、Pgc1α lucを使った系を利用できる細胞を検討した。 COS7細胞はforskolinに対する応答性もMyoD依存性も見られなかったのに対して、HepG2細胞ではforskolin応答性が確認された。また、この細胞ではMyoDを発現させることなくPgc1αの転写を調べることができた。茶葉、とくにほうじ茶と中国茶のエタノール抽出物にPgc1α転写抑制効果があり、それは用量依存的であった。筋系細胞であるC2C12細胞でPgc1α転写を調べたところ、やはり中国茶に転写抑制活性があること、酒粕圧搾後と米アルコール粕にも転写抑制活性があることが分かった。また、Pgc1α転写調節を担う細胞内分子としてSrebp familyの転写因子が判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初予定していた計画通りに進んでいるから。当初はC2C12細胞への遺伝子導入は困難なことが予想されたが、導入方法を工夫することにより再現性良く遺伝子導入することができた。したがって、飼料抽出物の効果をC2C12細胞を使って直接評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた成果を受けて、今後は、飼料のPgc1α転写調節活性に関する評価は、直接、筋系細胞であるC2C12細胞で評価する。また、Pgc1α遺伝子発現量自体の変化、ならびに筋線維型の変化についても検討し、最終的には動物個体を使って飼料による筋線維型の調節の可能性を探る。
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