2011 Fiscal Year Annual Research Report
ラクトフェリンとセロビオースのシンクロナイズド効果による乳用子牛の発育促進
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23380160
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
櫛引 史郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・家畜生理栄養研究領域, 上席研究員 (30355218)
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Keywords | 子牛 / ラクトフェリン / セロビオース / サイトカイン / ホルモン |
Research Abstract |
本年度は、ホルスタイン種新生子牛20頭を用いて、生後4日齢から12週間の長期飼養試験を行った。子牛は対照区、ラクトフェリン(LF)区、セロビオース(CB)区、およびLF+CB区の4処理区に5頭ずつ配置した。生後6週齢までは全乳を1日2回給与し、給与量は9時に体重比5%、16時に体重比7%とした。LFは3g/日、CBは5g/日とし、全乳に混和した。6週齢から7週齢までは離乳への馴致のため、全乳の給与量を朝夕それぞれ1kgに減量した。離乳は7週齢で完了して、その後は子牛用配合飼料とチモシー乾草を給与した。 なお、離乳後のLFおよびCBは配合飼料に添加して給与した。 哺乳期の日増体量(DG)は、LF区、CB区、およびLF+CB区が対照区に比べて有意に高くなり、LFとCBの給与は子牛の初期成長を促進することが明らかになった。LF区およびLF+CB区では白血球中におけるIL-2のmRNA発現が増加しており、LFによる免疫機能亢進が示唆される結果となった。一方、CB区およびLF+CB区では血漿中インスリン濃度が上昇し、CBによる消化管内の揮発性脂肪酸(VFA)の産生亢進作用が発現していることが推察された。 これらの結果から、LFおよびCBの生理作用は哺乳子牛において生体機能の向上に寄与していることが明らかとなり、LF+CB区では両者のシンクロが機能していると考えられた。 離乳後の解析については、動物試験が終了していない個体が一部いるため、今後行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた供試頭数の8割で動物試験を行った。1処理区5頭になったが、ほぼ仮説に近い結果が得られている。ただ、試験期間が長いことと、研究所内生産子牛を用いることから、試験開始が不定期となるとともに離乳後の解析が完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き供試頭数を増やすとともに、離乳後の育成期における解析を急ぐ。また、組織における生理活性物質の活性や発現バランスの解析を行う。さらに、今年度後半からはLPS投与試験を組み入れ、炎症性ストレスに対する反応性からLFとCBのシンクロ効果を検討する。
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Research Products
(3 results)