2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
古澤 軌 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物発生分化研究ユニット, 主任研究員 (00343997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康二 (独)農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所・家畜飼養技術研究領域, 主任研究員 (50355070)
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Keywords | 伸長胚 / ウシES細胞 / ゲノム改変 |
Research Abstract |
【キメラ胚の効率的作出法の検討】 3株のウシES細胞株についてキメラ形成能を調べた。蛍光標識したウシES細胞を8細胞期胚に注入して胚盤胞期における局在を調べた結果、半数以上の胚でES細胞が内部細砲塊内あるいは周辺に存在していることが分かった。内部細胞塊に局在が確認された胚を牛に移植し、14日胚における寄与を調べたところ、株間で差があるものの、40-80%の胚において将来胎子になる胚盤にウシES細胞が局在しているのが確認された。また一部の胚において、胚体外組織へ分化していると思われる像が観察された。以上の結果から、ウシES細胞はキメラ形成能を有する可能性があること、またマウスES細胞とは異なり、胚体外組織へも分化し得る可能性が示唆された。 【キメラ形成能の高いES細胞株の選別法の検討】 ウシES細胞を未分化細胞マーカーであるSSEA-1及びSSEA-4抗体で染色しFCM解析を行った結果、SSEA-1陽性細胞が~0.5%、SSEA-4陽性細胞が~0.2%存在することが分かった。これらの細胞が出現する頻度は細胞株間で異なっており、キメラ形成能の高い株及び細胞集団を選別する指標となる可能性が示唆された。 【ジンクフィンガーヌクレアーゼによるゲノム改変操作】 生殖系列細胞特異的に発現するウシVASAホモログ(BVH)のゲノム領域に蛍光タンパク質遺伝子を組み込むため、開始コドン近傍の特定の部位を認識・切断するジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を設計・合成した。ウシ繊維芽細胞にZFNをコードする遺伝子を導入したところ、ZFNが部位特異的な切断活性を有すること、また相同組換えベクターを共導入することにより、実際に相同組換えが起きることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウシES細胞のキメラ形成能の評価については、24年度計画であった伸長胚での解析を前倒しで終了できた。また、ZFNによるノックインについても既に機能が確認できており、24年度内に組換えES細胞が樹立できる可能性が高い。移植試験を優先したこと、また精度の高い解析が難しいことから、キメラ胚と伸長胚についての生化学的解析が進んでいないが、5株のES細胞株についてはマイクロアレイ解析及びエピジェネティクス解析が終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
・震災、特に原発事故の影響で試験牛の確保が懸念されたが、今のところは計画通り実験ができている。ウシの確保については不確定な部分が多いため、特にと殺が必要な試験を優先して行うこととする。
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Research Products
(2 results)