2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380169
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
古澤 軌 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物発生分化研究ユニット, 研究員 (00343997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 康二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 乳牛・肉用牛研究グループ, 研究員 (50355070)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 伸長胚 / ウシES細胞 / ゲノム編集 |
Research Abstract |
[ホスト胚のステージの検討] 3株のウシES細胞株についてDay5及びDay8の胚をホスト胚としてキメラ胚を作成し、受胚牛に移植した。Day13伸長胚におけるES細胞の局在を調べた結果、 ntES♀#2とntES♂#2はDay8胚が、ivfES♂#5はDay5胚がホスト胚が適していること、また ntES♀#2が最も胚盤への局在率が高いことが分かった。両ステージで有意な差がなかったことから、胚盤胞期でエピブラストへのES細胞の局在が確認できるDay5胚がホスト胚として最適であると判断された。 [ウシES細胞の高品質化] 高品質化を目的に、Tet-on発現調節システムにPOU5F1遺伝子を連結したベクターをウシES細胞に導入した。ドキシサイクリン(Dox)存在下で樹立した細胞株は、コロニーの形態がよりドーム状となり、増殖の亢進が認められた。Dox除去により外因性POU5F1及びNANOGやE-Cadherin等の幹細胞関連因子の発現が低下したことから、POU5F1発現調節が設計通り動作すること、またPOU5F1の強制発現は幹細胞関連因子の発現誘導を介してES細胞の性状に影響を与えていることが示唆された。 [ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)によるゲノム編集個体の作成] ZFNアシストによる相同組換えによって、生殖細胞特異的に発現するDDX4遺伝子をDsRedに置換したウシ繊維芽細胞を樹立した。ゲノム解析の結果、この細胞は相同組換えが起きていないアリルにおいても675bpの欠失が起きていることが判明した。この細胞由来のクローン胎子を作成したところ、生殖腺のDDX4の発現は認められず、DDX4-/-であることが確認された。生殖腺におけるDsRedの発現は低く、内因性DDX4の低発現を反映していると推測された。以上の結果から、ウシにおいても高度なゲノム編集が可能であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、キメラ個体を効率的に作成するためのホスト胚ステージの検討が終了した。ES細胞の高品質化においても再現性のある性状の改善が認められている。またZFNアシストによるゲノム編集についても、設計通りの相同組換え(ノックイン)が起きた胎子が得られ、ウシにおいてもマウス同様の高度なゲノム編集が可能であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
・今年度に引き続き、高品質化ES細胞について奇形腫形成や三胚葉分化誘導実験を行い、多能性の検証を行う。年度後半には、伸長胚移植によるキメラ形成試験を行う。 ・新たにVASAノックイン個体(胎子)を作成し、より発生の進んだ胎子においてVASAとDsRed遺伝子の発現の相関を調べる。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] 伸長胚移植によるウシES様細胞の多能性解析2013
Author(s)
池田光美, 古澤軌, 大越勝広, 細江実佐, 木村康二, 松山秀一, 赤木悟史, 金田正弘, 木崎景一郎, 徳永智之
Organizer
第106回日本繁殖生物学会大会
Place of Presentation
東京農工大学農学部府中キャンパス
Year and Date
20130912-20130914