2011 Fiscal Year Annual Research Report
口蹄疫と類症鑑別が困難な反芻獣のパラポックスウイルス感染症の迅速診断法の開発
Project/Area Number |
23380178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
猪島 康雄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (20355184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石黒 直隆 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00109521)
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Keywords | パラポックスウイルス / 牛丘疹性口炎 / 感染症 / 診断法 / 類症鑑別 / LAMP |
Research Abstract |
口蹄疫との類症鑑別が困難なパラポックスウイルス(PPV)感染症について、農場内だけで完結する新たな迅速診断法を開発することを目的とする。 PPV感染症には、牛の丘疹性口炎、偽牛痘、羊や山羊、アカシカ、ニホンカモシカの伝染性膿疱性皮膚炎、ヒトの搾乳者結節、などが含まれる。これらの原因となるPPVとして、牛丘疹性口炎ウイルス(BPSV)、偽牛痘ウイルス(PCPV)、伝染性膿疱性皮膚炎ウイルス(ORFV)、アカシカパラポックスウイルス(PVNZ)、が知られている。本年度は、従来のPCR法に代わるLAMP法を用いて、これらのPPVすべてに利用可能な新たな遺伝子診断法確立を検討した。具体的には、1時間以内でのPPV遺伝子検出を目指し、LAMP法用プライマーをデザインした。それぞれのPPV感染細胞のDNAを用いて検出感度を検討し、PVNZの検出感度が低いが、1時間以内に4種類のPPVすべてを検出する系を確立した。検出感度の向上を目指し、現在さらに反応条件を検討している。 そのほか、PPV感染症の中で最も口蹄疫との鑑別が困難なことが多い牛丘疹性口炎の遺伝子診断に焦点を絞り、BPSV検出に最適なLAMP法を検討した。具体的には、BPSVのエンベロープ遺伝子をクローニング後、希釈列を作成し、BPSV遺伝子検出感度が高い反応温度条件を探索した。BPSV遺伝子として10^3コピーまで検出可能な条件が得られたが、現在さらに感度の向上を目指し、反応条件を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4種類のPPV遺伝子を検出できるLAMP法が確立直前まで達しており、計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
すべてのPPVを検出するためのLAMP法は、すべてのPPVが検出できるかわりに感度が低い。逆に、BPSVに特化したLAMP法は、BPSVに最適な条件を利用できるため感度が高いことが、本年度明らかとなった。そのため、当初はすべてのPPV検出系確立のみを計画したが、今後は計画を修正し、2つの診断系(すべてのPPV検出系、BPSVに特化した検出系)を別々に確立し、目的に応じて2つの検出系を使い分けることで、本研究の目的達成を目指す。
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Research Products
(21 results)