2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミエリン変異ラットを用いたミエリン修復・再生ダイナミックスの解明と治療戦略の構築
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23380180
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20244668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山手 丈至 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (50150115)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | オリゴデンドロサイト / ミエリン / ミトコンドリア / モデル動物 / 再生 / 多発性硬化症 / 脱髄 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:中枢神経系のミエリン病変を発症するミュータントラットを解析し,7週齢頃より急速に脱髄病変が進行するdmyラット,軸索周囲の空胞形成およびミエリン低形成がみられるVFラット,ミエリン形成初期からミエリン低形成を特徴とするmvラットを調べた. VFラットの病態解析【結果・考察】:VFラットの原因遺伝子Dopey1を同定し,その発現細胞,細胞内局在を詳細に調べた.その研究成果を国際専門誌であるGlia誌に発表した.各週齢のVFラット脊髄白質におけるオリゴデンドロサイト前駆細胞(OPC)の動態を経時的に解析した.VFラットのOlig2 mRNA発現量は,10週齢で有意な上昇が,Nkx2.2 mRNA発現量は全週齢において低下傾向を示した.Pdgfr alpha mRNA発現量は,4週齢で増加,10週齢以降で低下した.Olig2に強陽性を示すOPC数は、10週齢以降で明らかに増加した.以上より,VFラットにおけるOLの成熟異常が示唆され,ミエリン低形成に関与していると考えられた.
dmyラットとtremor (TRM)ラットの病態比較【結果・考察】①7,8週齢のdmyラットの脊髄腹索においてNkx2.2陽性OPCが有意に減少した.このことから dmyラットではオリゴデンドロサイトの分化・成熟異常が起こっていることが示唆された.TRMラットではNkx2.2の免疫染色性に差は認められなかった.②dmyラットでは対照ラットと比較して,オリゴデンドロサイトのPLP mRNAの発現が減弱していた.TRMラットでは対照ラットと比較して,PLP陽性の突起の伸長が悪く,未熟な形態をしたオリゴデンドロサイトが多数認められた.このことからdmyラットでは成熟オリゴデンドロサイトの機能異常が起こっているのに対し,TRMラットでは成熟異常が起こっていることが示唆された.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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