2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物-エンドファイトー内生バクテリア共生系を利用した新たな環境浄化技術の確立
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23380190
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
成澤 才彦 茨城大学, 農学部, 准教授 (90431650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 教授 (80168947)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 共生 / エンドファイト / 内生バクテリア / 環境浄化 |
Research Abstract |
ストレス環境下で植物の生育を促進するDSEの選抜とその生態解明および根部エンドファイトDSEと内生バクテリアの相互作用解明 根部エンドファイトとしてVeronaeopsis simplexを選択しバクテリア間相互作用の解明を行った。本エンドファイトには培養可能なPseudomonas, Paenibacillus, Stenotrophomonas, Delftia および Rhizobium属等複数種のバクテリアが関係していた。そこで、エンドファイトに外生するこれらバクテリアを物理的な手法で取り除いた菌株を作成し、実験に供試した。その結果、宿主植物であるハクサイの生育促進には植物ホルモン様物質が関わっており、この物質は主に外生しているバクテリアから生産されることが示唆された。また、ハクサイへの高温耐性の付与にも主に外生バクテリアが関与していることが示された。一方、Fusarium oxysporumによるハクサイの土壌病害防除効果は、本エンドファイトおよび内生しているバクテリアのみでも認められ、さらに外生バクテリアが加わると、防除効果が高くなる場合と反対に低くなる場合が認められた。 植物-DSE-内生バクテリア共生体によるCd汚染浄化効果の検討と利用法開発 日本国内でCd汚染の多くが認められる水田は低酸素環境である。そのため、好気的環境を好むDSE利用に問題が生じることが予想される。そこで、低酸素環境である養液栽培系を用いて上述のDSE, V.simplexをスィートソルガムに接種したところその生育を促進することが認められた。この生育促進は、植物が根圏に分泌するアミノ酸を利用し、同エンドファイトがIAAを分泌するメカニズムが働いていることが示唆された。さらに同条件でも金属の吸収量が対照区と比較して約2倍増加していることが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレス環境下で植物の生育を促進するDSEはVeronaeopsis simplexを選抜したことで達成した。また、DSEと内生バクテリアの相互作用解明に関しても、生育促進、高温耐性および病害抑制に関してその関係を明らかにした。さらに選抜したDSEの水田での利用を想定し、低酸素条件での金属吸収効果も確認出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
選抜したエンドファイトに有用形質を有するバクテリアを積極的に処理する手法の開発およびその効果の検討を行う。さらに、当初計画にはなかったが、Cdに加えてCsに対する同効果も検討する予定である。
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Research Products
(6 results)