2015 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanisms on aggregation and toxicity of plant amyloid proteins which are toxic in the presence of metals
Project/Area Number |
23380192
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
原 正和 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (10293614)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀池 徳祐 静岡大学, 農学部, 准教授 (20535306)
河岸 洋和 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (70183283)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重金属 / 天然変性蛋白質 / デハイドリン / ハイパーアキュムレーター |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、植物にHis型金属結合ペプチドという新しい概念の金属キレーターが存在することを見出した。そして、本ペプチドのアミロイド化が、そのペプチドがある限度を超えた場合には、通常植物体内の金属毒性を助長し、金属感受性を高めているという作業仮説を立て、研究を行った。シロイヌナズナのAtHIRD11に注目して、各種の機器分析、凝集試験、生理学的試験を行ったところ、次のような特性をまとめることが出来た。 AtHIRD11は、無あるいは低金属濃度環境下では、二次構造をとらない天然変性状態にあるが、金属イオン、特に亜鉛や銅の濃度が増すと、容易に、二次構造を形成しないまま凝集化する。本凝集は、多くの神経疾患アミロイドが、シートなどの疎水性領域を介した堅固な凝集体を形成することとは異なる。 AtHIRD11の銅凝集体は、植物体内に含まれる一般的な還元剤、例えばアスコルビン酸によって活性酸素種の発生源となりうる。銅イオン濃度がAtHIRD11濃度を大きく上回ると、銅イオンのレドックス活性が高まり、活性酸素種が盛んに発生する。しかし、AtHIRD11と銅イオンのモル比が似通っている場合、銅イオンのレドックスは逆に安定化され、活性酸素種の発生は低下する。AtHIRD11を過剰発現させた植物を高濃度の金属溶液で灌水した場合、野生株より成長が抑制される。また、電子顕微鏡観察で、AtHIRD11凝集体は、細胞質やミトコンドリア周辺に存在すると予想され、重金属障害の一端を担っていると考えられる。 このように、AtHIRD11は、低濃度の重金属環境下では植物を保護する働きを示すが、高濃度の重金属環境下では、一転して自己毒性を発現する可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)