2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23380196
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
信濃 卓郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・生産環境研究領域, 上席研究員 (20235542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関口 博之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 近畿中国四国農業研究センター・水田作研究領域, 主任研究員 (50466009)
岡崎 圭毅 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・生産環境研究領域, 研究員 (40414750)
岩田 幸良 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・生産環境研究領域, 主任研究員 (70370591)
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Keywords | 土壌微生物 / 根圏土壌 / 一酸化二窒素 / 土壌RNA / 病害土壌 |
Research Abstract |
複数の土壌を対象に微生物の系統解析をDNAレベルとRNAレベルで行うために、土壌からのDNAおよびRNAの抽出方法を検討し、北海道道央地区のトウモロコシ畑からDNAもRNAも高純度で精製することが可能になった。得られた遺伝子を用いてメタゲノム解析を行ったところ、土壌微生物の中で特徴的な機能を持つ事が知られている微生物の量的な変動が観察されることが明らかになった。 凍結・融解過程の一酸化二窒素(N_2O)の発生を室内で再現するため、培養した土壌中のガスを定期的にモニタリングするための実験系を確立した。硝酸態窒素を含む溶液で試料を飽和し、一定期間培養することで、N_2Oが発生する条件を作ることができることを確認した。融解時にN_2Oの発生が確認された圃場から土壌を採取し、凍結・融解の前処理をした試料と前処理をおこなわなかった試料について、-2℃、0℃、+8℃で培養した結果、凍結融解処理をおこなったサンプルの方がN_2Oの発生量が多くなることや、凍結融解処理をおこなうと-2℃や0℃の低温条件でもN_2Oが多量に発生することなど、いくつかの興味深い知見を得ることができた。 病害発生土壌における微生物均等度の変動要因解析に供する土壌として、病害発生リスクの異なる土壌を収集するため、Fusarium oxysporumが引き起こすホウレンソウ萎凋病を対象病害として、病害発生リスクを評価する手法を検討した。セルトレーに土壌をつめ、ホウレンソウ種子を播種し、F.oxysporumの芽胞状菌体(5×10^6個/株)を接種したところ、病害の発生が認められたが、無接種においても、萎凋病を含めた、PythiumやRhizoctonia属による立ち枯れ症状が認められ、病徴のみでは不正確な評価となる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
土壌微生物の機能性遺伝子の分析手法の確立に引き続き解析手法の確立に成功した。 一酸化二窒素を発生させるための培養試験手法を確立した。一方、病害発生土壌の候補地が確定できていないため、全体としてはやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
リンの利用能に関して特徴的な複数の土壌を用いて、植物を栽培し、その根圏土壌の微生物機能性を解析する。 リンに加えて特に微量養分の吸収に関連する機能性の変動を対象とする。 確立した培養試験の方法を用いて、いくつかの温度帯で土壌を培養し、ガスサンプリングを定期的におこなうと共に、培養後の土壌をサンプリングし、メタゲノム解析の試料に供する。 病原菌として、nit変異株(硝酸態窒素利用能欠損株)を接種し、一定期間経過後、土壌中のnit変異株の増減を評価し、正確な評価手法の確立を目指す。殺菌土壌との比較により、その差が大きい(殺菌土で大きく増加、生土は少し増加)土壌を病原菌に対して発病リスクの低い(生物的に静菌力を有する)土壌として扱う。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] 根の世界2011
Author(s)
信濃卓郎
Organizer
サッポロ農学校2011
Place of Presentation
北海道大学農学部(札幌)
Year and Date
2011-09-15
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