2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシグナリング:解糖系代謝物によるTORC2活性化の分子機序とその意義
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23380202
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 善晴 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70203263)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | メチルグリオキサール / TORC2 / Plc1 / 酵母 |
Research Abstract |
昨年度までの解析から、解糖系代謝物であるメチルグリオキサール(MG)が、酵母のみならず、動物細胞においてもTORC2を活性化するシグナルイニシエーターであることを証明した。また、マウスの脂肪細胞においてMGは、IRS-1のチロシンリン酸化を伴わずにAktのSer473をリン酸化したことから、MGは新規な経路でmTORC2を活性化している可能性が示唆された。さらに酵母において、Plc1がTORC2の局在性を制御することでTORC2の機能発現に関与することを見いだしたことから、今年度はPlc1以外にTORC2の局在性に影響を及ぼす因子の探索を行うとともに、Pkc1とは別のTORC2の基質であるYpk1に関連して、TORC2-Pkc1経路とTORC2-Ypk1経路の機能的相関性についても検討を行った。 まず、酵母の非必須遺伝子破壊ライブラリーについて、TORC2の必須コンポーネントであるAvo1にGFPを融合させたAVO1-GFPをAVO1遺伝子座に導入し、TORC2の局在性を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、野生株では細胞膜直下にドット状の局在が観察されるのに対し、plc1Δ株では細胞質全体に蛍光が観察され、局在を示さなくなることを確認した。非必須遺伝子破壊ライブラリーは約4800株あるが、そのうち、現時点で3300株について遺伝子導入が終了し、それらについて蛍光顕微鏡観察を行った。その結果、TORC2の細胞膜直下の局在が観察されなくなった変異株が6株ほど得られている。現在も引き続きスクリーニングを行うとともに、得られた株の精査を進めている。 一方、TORC2の基質であるYpk1のリン酸化レベルはオーレオバシジンA(AbA)処理により上昇することが知られているが、AbAで処理するとMGによるPkc1-Mpk1経路へのシグナルの流入が減弱する傾向が観察された。TORC2-Pkc1経路とTORC2-Ypk1経路の相関性について、引き続き検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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