2012 Fiscal Year Annual Research Report
カチオン-π相互作用によるタンパク質の構造形成・機能発現制御
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23390008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 英夫 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30111454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 隆史 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (30222318)
平松 弘嗣 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (90419995)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タンパク質 / 構造 / 機能 / カチオンーπ相互作用 / 分光法 |
Research Abstract |
カチオン-π相互作用はタンパク質の構造や機能を制御する可能性があり、注目を浴びつつある。本研究では、各種分光法を駆使することにより、芳香族アミノ酸残基が関与するカチオン-π相互作用について、1)相互作用の存在を検証するためのスペクトルマーカーの探索・発見、2)相互作用に起因するタンパク質構造変化の追跡法の開発、ならびに、3)これら新規マーカー、追跡法のタンパク質構造解析への応用を行い、カチオン-π相互作用がタンパク質の構造形成と機能発現において果たす役割を解析するための分光学的基盤を構築することを目的とした。 前年度に引き続き、HIV-1ウイルスのVprタンパク質のC末端側へリックス部分を含む29アミノ酸残基からなるペプチドVpr52-80(DTWTGVEALIRILQQLLFIHFRIGCRHSR)とその変異体を用いて、His-Trp間のカチオン-π相互作用を吸収、蛍光、円偏光二色性で検出することを試みた。その結果、酸性条件下でHisが正電荷を獲得すると、Trpとの間にカチオン-π相互作用が生じ、Trpの紫外吸収に特有の変化をもたらすこと、また、Trpの蛍光を有意に消光させることが分った。Hisが正電荷を獲得することに同期して円偏光二色性にもわずかであるが変化が観測され、へリックスの長さが増すことが分った。さらに、これらのスペクトルの温度依存性を詳細に検討したところ、カチオン-π相互作用は、Vprペプチドのへリックス二量体構造を安定化することが明らかとなった。カチオン-π相互作用によるタンパク質構造の変化と機能の制御は、別のタンパク質であるヒトガレクチン-1でも確認された。本研究により、カチオン-π相互作用がタンパク質の構造形成と機能発現において重要な役割を果たすことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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