2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌・免疫疾患発症とシグナル異常:STAT3とNFーκBを中心として
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23390015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 正 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20212219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室本 竜太 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30455597)
関根 勇一 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (20396295)
南保 明日香 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (60359487)
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Keywords | 癌 / 自己免疫疾患 / シグナル伝達 / STAT3 / NF-κB / 炎症 / サイトカイン / 免疫 |
Research Abstract |
生体の恒常性の維持にはサイトカインの存在が不可欠であり、中でも炎症性サイトカイン、インターロイキン6(IL-6)の異常産生やシグナル異常は癌、自己免疫疾患の発症に深く関与している。申請者はIL-6のシグナル分子STAT3の活性化及び活性化制御に関与する多くの分子を同定し、機能解析を行ってきた。本研究ではSTAT3とIL-6産生を制御するNF-κBとの機能的相互作用の解析を中心に生体内STAT3制御法の確立を目指し、本年度は以下の研究を行った。 1.STAT3結合蛋白のSTAT3機能への影響解析 ZIPKがIL-6によって誘導されるSTAT3転写活性化を増強することを明らかにし、あらたなZIPK結合蛋白としてNLKを同定し、報告した。さらに、STAT3制御因子としてY14を同定したが、Y14がNF-κBの活性制御にも関与することが明らかにした。 2.STAT3核内制御蛋白のNF-κBとのクロストークを指標にしたSTAT3制御機構の解析 STAT3をベイトにした酵母two-hybrid法にてSTAT3結合蛋白として核内コリプレサーKAP1を同定し、KAP1の遺伝子ノックダウンにより、KAP1がSTAT3のセリン酸化を制御し、STAT3核内制御蛋白として機能することを報告したが、さらに、KAP1がSTAT3,NF-κB,p300等と相互作用し、TNF/NF-κB依存的な炎症性サイトカインIL-6の遺伝子発現を制御することを見い出し,報告した。 3.STAT3蛋白の量的制御機構の機能解析 STAT3分解に関与する新規E3リガーゼとしてPDLIM2を同定した。PDLIM2はNF-κBとの機能的相互作用が発見されていたが、核内においてSTAT3と結合し、STAT3をユビキチン化し、蛋白分解を促進することを報告した。STAT3のユビキチン化酵素の同定は世界初である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
STAT3制御蛋白がNF-κBの機能調節に関与することを世界的レベルの雑誌に報告することができ、現在も引き続き研究は進んでおり、論文発表できることを確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
STAT3制御蛋白がNF-κBの機能調節に関与については主に細胞レベルでの解析が中心であるが、より生体内での機能解析を進めるために動物実験等を充実させたい。
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Research Products
(11 results)