2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウスやメダカを用いた肝発生・再生および肝病態シグナルネットワークの解明
Project/Area Number |
23390018
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
仁科 博史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60212122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 洋一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (10436644)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 肝臓 / 再生医学 / モデル生物 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 質量顕微鏡 / Hippo系 / 肝細胞がん |
Research Abstract |
本研究では、クロストークする“細胞の生死を制御するSAPK/JNKシグナル系”と“器官のサイズを制御するHippoシグナル系”がマウスの肝再生や肝病態(繊維化や癌)に与える影響の解析に加え、既に単離済みの肝形成・肝機能不全メダカ変異体の解析を行い、胆汁の分泌, 吸収栄養分の濾過と解毒, 糖の貯蔵と血糖の調節などを行う必須の器官でありながら、未だ不明の点の多い肝発生・肝再生および肝疾患発症に関わるシグナルネットワークの解明を目的とする。 本年度は、以下の大きな成果が得られた。 圧力を利用したマウス尾静脈からの遺伝子導入法「HTVi法」を用いて、Hippoシグナル系を破綻させた新たな肝病態モデルマウスを作出した。肝臓のサイズを制御するHippoシグナル経路の標的分子YAPを活性化すると、肝細胞がんが誘導されることを見出した。Hippoシグナル系が肝臓のサイズの制御を通じて、がん抑制に関わっていることを示す結果である。また興味深いことに、この過程には「細胞競合」という細胞の品質管理機構であるが関与している可能性を見出した。肝疾患を細胞レベルの品質管理という観点から治療する戦略の動物モデルとして、また、肝細胞がんの前駆/幹細胞を同定可能な実験系として期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たな研究手法である「質量顕微鏡」を用いて、マウス肝再生を世界で最初に解析し、興味深い結果を得て、論文として報告したこと、また、Hippo系を利用した新たな肝細胞がんモデルを確立したことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は順調に進展しており、これまでの計画に加えて、新たな実験系を加えながら、進展させる。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 質量顕微鏡法2012
Author(s)
仁科博史
Organizer
第55回日本腎臓学会学術総会
Place of Presentation
横浜
Year and Date
20120601-20120603
Invited