2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成におけるG蛋白質シグナル伝達系の機能の統合的理解
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23390019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根岸 学 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 神経突起 / semapohorin / Plexin / R-Ras / M-Ras |
Research Abstract |
我々は、神経軸索に局在して軸索の伸長を促進するR-Rasに対し、M-Rasは樹状突起に局在し樹状突起の伸長を促進すること、Sema4D/Plexin-B1はR-RasとM-Ras共にGAP活性を示し、それぞれの活性制御で、軸索の反発作用と樹状突起の成長抑制をすることを見いだした。今回、R-RasとM-Rasの下流で働くエフェクターの探索を行った。M-Rasのエフェクターとして、lamellipodin(lpd)を同定し、M-Rasは活性型特異的にlpdに結合し、lpdを細胞膜に移行させ、アクチン細胞骨格に結合して、樹状突起の伸長と分枝化を促進した。また、Sema4D/Plexin-B1はこのM-Ras-lpdシグナル経路を抑制し、アクチン繊維の軸索先端からの消失を起こして、樹状突起に対し、反発作用を発揮した。一方、R-Rasも活性型特異的にlpdに結合し、アクチン繊維の伸長を促進し、軸索の伸長を促進した。また、Sema4D/Plexin-B1は、R-Ras-lpdシグナル伝達経路を阻害し、軸索の反発作用を発揮した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、M-RasとR-Rasの下流のエフェクターとしてlpdを同定し、アクチン骨格の制御機構と、ガイダンス分子による調節機構を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、計画通り進め、今年度で終了するので、当初の研究計画をほぼ達成できるように努力する。
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Research Products
(2 results)