2011 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポーターを介した腎不全悪性サイクルの遮断と治療
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23390033
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 高明 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80292209)
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Keywords | トランスポーター / 尿毒症物質 / 転写 / GATA / エリスロポエチン |
Research Abstract |
尿毒症物質は濃度依存性にSLCO4C1のmRNA発現を低下させた。またルシフェラーゼアッセイから尿毒症物質はSLCO4C1遺伝子発現を転写レベルで有意に低下さることが明らかとなった。この尿毒症物質によるSLCO4C1転写抑制作用はAhRの結合するXRE配列より更に5'上流にある転写因子GATAの阻害剤にてキャンセルされた。 一方、慢性腎臓病において腎性貧血は主要な合併症のひとつであり腎性貧血の病態はエリスロポエチン(Epo)産生の低下を基盤とすることが知られている。腎機能の低下がどのようにEpo産生に影響を及ぼすかについては不明な点も多いが血液透析によって腎性貧血が改善したという報告があり、尿毒症物質がEpo産生低下を引き起こす可能性が考えられていた。そこで我々は低酸素条件下でエリスロポエチン(Epo)産生が誘導される細胞を用いて尿毒症物質を含んだ培地で培養しEpo産生への影響を評価したところEpo産生を有意に抑制した。Epo遺伝子の5'上流域を用いたルシフェラーゼアッセイを行ったところ、尿毒症物質はEpo遺伝子の転写を有意に低下させ、このEpo転写抑制作用はSLCO41と同じGATA阻害剤にてキャンセルされることが明らかになった。 この結果は腎不全時においては尿毒症物質の蓄積はトランスポーターの発現抑制を起こし尿毒症物質の更なる蓄積が進行し、同時に貧血を惹起するという2つの作用があること、そしてそのどちらの作用もGATA転写因子という共通のメカニズムを介していることを明らかにしたものであり新たな慢性腎臓病の治療のストラテジーになり得ることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
慢性腎不全おけるトランスポーターの新たな制御機構を解明し、その治療法の糸口を解明したと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はGTA転写因子阻害剤を5/6腎摘ラットやGBM抗体投与腎炎ラットに投与し腎機能の各種パラメーターと酸化ストレスマー、さらに血中尿中メタボローム解析を行い、腎不全の新たな治療法としての有用性を検討する予定である。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Metabolomic profiling of the autosomal dominant polycystic kidney diseaserat model2011
Author(s)
Toyohara T, Suzuki T, Akiyama Y, Yoshihara D, Takeuchi Y, Mishima E, Kikuchi K, Suzuki C, Tanemoto M. Ito S, Nagao S, Soga T, Abe T
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Journal Title
Clin Exp Nephrol
Volume: 15
Pages: 676-87
Peer Reviewed
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[Journal Article] Luminal alkalinization attenuates proteinuria-induced oxidative damage in proximal tubular cells2011
Author(s)
Souma T, Abe M, Moriguchi T, Takai J, Yanagisawa-Miyazawa N, Shibata E, Akiyama Y, Toyohara T, Suzuki T, Tanemoto M, Abe T, Sato H, Yamamoto M, Ito S
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Journal Title
J Am Soc Nephrol
Volume: 22
Pages: 635-48
Peer Reviewed
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