2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳・腎薬物輸送におけるトランスポーターの分子実体の解明と機能の統合研究
Project/Area Number |
23390034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
楠原 洋之 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (00302612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 久允 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10451858)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 薬物動態 / 薬物トランスポーター / 血液脳関門 / 腎尿細管分泌 / 内因性基質 / 薬物間相互作用 |
Research Abstract |
Pyrimethamineを投与した被験者の血漿・尿検体中の内因性MATE基質(N-methylnicotinamide)の腎クリアランスを測定した結果、プローブ基質として用いたmetforminとは異なり、腎クリアランスの大部分は消失しており、本化合物がMATEを介した薬物間相互作用を定量的評価に利用できるプローブ化合物であることを明らかにした。Pyrimethamine阻害の特異性を検証するため蛍光物質としてrhodamine123ならびにASPの腎臓内濃度がpyrimethamine投与に増加することに基づき、in vivo共焦点レーザー顕微鏡を用いて、Mate1が発現する近位尿細管への蛍光物質の蓄積を確認した。腎排泄過程におけるcimetidineによる相互作用に関して、pyrimethamineによる阻害が見られなかった薬物に対して、cimetidineとの併用効果を検証したが、相乗作用は見られず、どちらもMate1阻害であることが考えられた。これまでMATE1とMATE2-Kの機能は同等とされてきたが、文献報告に基づいて、両者を区別するためのin vitro阻害剤を確認した。本阻害剤を利用することで、腎刷子縁膜におけるMATE1とMATE2-Kの重要性を明らかにすることができるものと期待している。NPT4の基質選択性を利尿剤以外にも拡張するとともに、OAT3との共発現系を構築し、NPT4が排出輸送を行うことを確認した。さらに、NPT4阻害剤として、C型肝炎治療薬であるtelaprevirが良好な阻害剤となることを見いだした。MCT9についても、KD細胞株、過剰発現細胞を構築し、基質選択性を明らかにすると共に、免疫染色を実施するためのポリクローナル抗体をC末に対して調整した。Western blotで、サル脳毛細血管内皮細胞の発現を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MATEを中心とした腎尿細管分泌機構をin vivo・in vitroで評価する阻害剤を開発し、その体内動態における重要視を実験動物・臨床検体を用いて実証した。また、新たな薬物トランスポーター分子(NPT4・MCT9)の基質探索に利用可能なスクリーニング系を構築し、その基質選択性に関する知見を得ることができた。NPT4については実験動物に適用可能なNPT4阻害剤も見いだした。MCT9についても、当初期待通り、脳毛細血管での局在も認められた。ほぼ計画通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
腎に発現する薬物トランスポーターに対する阻害剤選択性を確立し、腎取り込みおよび排泄過程、血液脳関門における薬物輸送における各トランスポーターの重要性を明らかにすることに取り組む。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] N-methylnicotinamide is an endogenous probe for evaluation of drug-drug interactions involving multidrug and toxin extrusions (MATE1 and MATE2-K)2012
Author(s)
Ito S, Kusuhara H, Kumagai Y, Moriyama Y, Inoue K, Kondo T, Nakayama H, Horita S, Tanabe K, Yuasa H, Sugiyama Y
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Journal Title
Clin Pharmacol Ther
Volume: 92
Pages: 635-41
Peer Reviewed
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