2013 Fiscal Year Annual Research Report
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23390038
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Research Institution | Amine Pharma Research Institute Co., Ltd. |
Principal Investigator |
五十嵐 一衛 株式会社アミンファーマ研究所, その他部局等, 代表取締役社長 (60089597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 和洋 千葉大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (60302569)
柏木 敬子 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (80169424)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アクロレイン / 細胞障害 / 脳梗塞 / アルツハイマー病 / IL-6 / CRP / Aβ40/42 |
Research Abstract |
1. これまでに無症候性脳梗塞(SBI)を血漿中のアクロレイン抱合蛋白質(PC-Acro)、インターロイキン-6(IL-6)、C-反応性蛋白質(CRP)を測定することにより約85%の精度で見つけることに成功している。本年度は、アクロレインが脳細胞で防禦反応としてIL-6を産生し、次いでIL-6が肝細胞で同じく防禦物質であるCRPを産生することを、細胞培養レベルで明らかにした。また、アクロレインは脳細胞だけでなくマクロファージ並びに平滑筋細胞でもIL-6産生を促進すること、並びにその分子メカニズムとしてアクロレインが転写因子であるAP-1のサブユニットであるC-junのリン酸化及びNF-κBのP65のリン酸化を促進することにより転写レベルでIL-6合成を促進することを明らかにした。 2. これまでにアルツハイマー病(AD)のバイオマーカーとして血漿中のPC-Acro並びにアミロイドβ(Aβ)40/42が有効であることを報告した(J. Alzheimer’s Dis. 32, 33-41, 2012)。本年度は、軽度認知障害(MCI)とADを区別できるバイオマーカーの探索を試みた。その結果、脳脊髄液中のAβ40とAβ40/PC-AcroがADではMCIに比べて有意の差で減少することが明らかとなった。また、バイオマーカーは画像に比べMMSE(認知症検査)と強く相関することが明らかとなった。 3. 脳梗塞の治療薬として、NMDA受容体のチャネルブロッカーの開発を試みた。その結果、ポリアミンの誘導体であるN1’,N1’-(hexane-1,6-diyl)bis(N5-(2-methoxybenzyl)pentamine-1,5-diamine)が脳梗塞の治療薬の前駆物質として有用であることを、脳梗塞モデルマウスを用いて明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展しており、アクロレインの細胞障害に果たす役割が分子レベルで明らかになってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究をさらに進展させ、アクロレインの脳梗塞、認知症に果たす役割を明確にする。
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Research Products
(40 results)