2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂質シグナルによるイオン輸送体の活性制御機構とその構造基盤の解明
Project/Area Number |
23390046
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70158583)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | トランスポーター / 生理活性脂質 / 創薬 / 細胞内イオン制御 |
Research Abstract |
本研究では、Na+/H+交換輸送体(NHE1)の活性調節に必須な脂質結合ドメイン(LID)の構造と機能を解明することを主眼としている。 ①ATPによるNHE1の活性制御。H24年度までの研究で、NHE1がATP結合蛋白質であることを報告した(FEBS J. 2013)。H25年度は、ATPがLIDに結合することを蛍光性ATPアナログTNP-ATPを用いた解析と平衡透析によって明らかにした(Mol.Pharmacol. 2014)。 ②薬理学的検討によるNHE1の活性制御の機構。私達はこれまで、NHE1活性化はPKCではなく、LIDを介するという仮説を提唱している(J. Biol. Chem. 2010; J.Mol.Cell.Cardiol.2013)。今回、30種類のPKC阻害剤として知られる化合物を入手し検討したところ、そのほとんどがPKCを阻害する濃度でNHE1の活性化を阻害せず、PKCは関与しないことが判明した。しかし、staurosporineと数種の類似体はNHE1活性化を阻害した。TNP-ATPを用いた解析により、これらの化合物はLIDに直接結合することによってNHE1活性化を阻害することが結論された(Mol.Pharmacol. 2014)。 ③NHE1の活性調節機構の仮説。以上の結果から、NHE1活性化の機構は次のように説明される。NHE1には常時ATPが結合し、静止状態で高いNHE1活性を維持している。ホルモンによってGPCRが活性化されると、DAGがLIDに結合し、形質膜内層の酸性リン脂質へのLIDの親和性が増加する。この際、ATPから酸性リン脂質への“switch”が起こると考えられる。LIDのこの動きがNHE1全体の構造変化をもたらし、細胞内H+の親和性増加を伴う活性化に導くと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(12 results)
-
-
-
[Journal Article] Identification and properties of a novel variant of Na+/HCO3 cotransporter 4 (NBC4) predominantly expressed in choroid plexus.2013
Author(s)
Fukuda, H., Hirata, T., Nakamura, N., Kato, A., Kawahara, K., Wakabayashi, S., Chang, M-H., Romero, M.F., and Hirose, S.
-
Journal Title
Biochem. J.
Volume: 450
Pages: 179-187
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-