2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390049
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
三木 健寿 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (80165985)
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Keywords | 交感神経活動 / 海馬神経活動 / 動脈圧 / ラット |
Research Abstract |
本研究の特色は、中枢神経活動、交感神経活動、および動脈圧の長期間同時に計測することである。これにより、肥満性高血圧発症時に交感神経活動が中枢性にどのように修飾され、循環調節に関与するのかが定量的かつ時間軸依存性に解明できる。本年度の目標と実績は、方法論の確立である。 中枢神経活動の計測システムの確立:海馬の錐体細胞は大きくまた脳内での分布がひろいため方法論の確立には最適である。微小のステンレス管(100micro meter直径)を4本束ねたオリジナルの電極を作成し、ラットの自由行動下での海馬神経活動の長期計測に成功した(現在約1週間)。細胞外マルチニューロンの計測であり、パワーコンポーネント解析により神経活動のグループ分けを行った。以上中枢神経活動のための手術手技と解析方法の基礎を確立した。 交感神経活動の長期計測:我々の研究室で独自開発した方法であり、ユニークな技術を多々有している。今回、腎および腰部交感神経活動の長期計測方法について、研究費による計測装置の新規導入によりその計測解析の時間分解能を大幅に向上させた。ミリ秒から1ヶ月というタイムスパンと分解能を有するシステムを構築した。問題は、ギガバイトを超えるデータを随意に容易に解析する適切なソフトがない点であり、現在、既存市販ソフト利用を含めソフト開発を検討中である。 動脈圧の長期計測:データサイエンス社およびテレメーターリサーチ社の製品を用いて無線による計測を行った。確立された方法であり、問題ない。 以上の方法の検討をもとに、海馬神経活動、海馬領域血流量(レーザードップラー法)、腎および腰部神経活動、脳波、筋電図を自由行動下のラットに同時連続測定した(3例)。行動依存性にすべてのパラーメータが変動していることが明らかとなった。現在相互関連について周波数解析等の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
方法の基盤確立を行う目標はほぼ達成された。
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Strategy for Future Research Activity |
下記の2点に焦点をあてる 1.交感神経活動をより長期により自然な状態で計測するシステムの開発;肥満形成には時間がかかること、さらにケーブルによる有線計測は動物に負荷がかかることを鑑み、テレメーターでの交感神経活動の計測を検討する。中枢神経活動との同時計測を行うまえに、テレメーター単独で予備実験をおこない、方法の確立を図る。肥満ラットを用いて、交感神経活動、動脈圧の同時測定により実験を開始する。 2.中枢神経活動の長期計測方法の改善;現在は1週間程度の連続計測が可能であり、当初の計画遂行には、より長期の計測が必要である。より長期の計測方法を検討する。問題点の回避策として、まずは短期(1週間)の中枢神経、交感神経活動の同時連続測定を行う。。
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