2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞死抑制因子の動態に基づいたアルツハイマー病克服への試み
Project/Area Number |
23390059
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松岡 正明 東京医科大学, 医学部, 教授 (70222297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 俊彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (10246168)
馬原 孝彦 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70266477)
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Keywords | ヒューマニン / アルツハイマー病 / 神経細胞死 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)、ヒューマニン(HN)/EHシグナル活性化療法の臨床応用をより有効なものにするための基礎研究と前臨床研究を遂行した。まず、HN/EHに関連する未解決な生物学的問題に対する基礎研究に関しては、作成したEHのリコンビナント蛋白を用いて、EHの活性がHNよりはるかに強力なことを示した。従って、生体内ではEHが中心的な役割を果たしている可能性が高いことから、研究の焦点をEHの生体内挙動に絞って検討することとした。EHは主に皮膚(一部筋肉内)にのみ限局して発現すること、腹腔内投与されたEHは血液を介して中枢神経内に移行することを見いだした。この結果は、皮膚から分泌されたEHは血液循環系を介してBBBを通過して脳内移行し、AD関連神経毒性を抑制していることを示している。また、EHの活性を制御する分子として14-3-3sigmaとbetaを同定し、前者は皮膚に主に発現し、細胞外に分泌されて、EH活性を抑制すること、後者は細胞内でEHに結合して、その細胞外分泌を抑制することを示した。また、EHの高血糖抑制作用は、観察されなかった。次に、HN/EHシグナル活性化療法の前臨床研究をとして、スコポラミン誘導性のマウス記憶障害に対して、腹腔内投与されたEHは改善効果を示すことを見いだした。最後に、ADの生化学的早期診断法を確立する研究を行った。EHに対する特異抗体を作成して、ウエスタン法による測定アッセイ系を確立し、ひと血中濃度を測定したとこと、AD罹患者と正常コントロールで大きな差がないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほとんどの予定した研究は行った。そして、その結果はおおむね陽性方向であった。ただし、EH遺伝子ノックアウトに関するプロジェクトは、EH1とEH2遺伝子がタンデムに連続しているという特性のため、進捗していない。HN/EH様小分子の探索は外注する必要があるが、予想外の高額費用の制約があり、進捗していない。EHの抗糖尿病活性はないことが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
研究のコアの部分は順調に進捗している。次年度以降も同様に行う。EHのノックアウトプロジェクトに関しては、経験の豊かな申請者の属する大学所属の研究者との共同研究を考慮する。HN/EH様小分子の探索に関しては多数のmedicinal chemistを有する製薬企業との共同研究を考える。
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[Journal Article] VSTM2L is a novel secreted antagonist of the neuroprotective peptide Humanin2011
Author(s)
Rossini L, Hashimoto Y, Suzuki H, Kurita M, Gianfriddo M, Scali C, Roncarati R, Franceschini D, Pollio G, Trabalzini L, Terstappen GC, Matsuoka M, Caricasole A
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Journal Title
FASEB J
Volume: 25
Pages: 1983-2000
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