2012 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム再プログラム化分子機構 体細胞から多能性幹細胞へ
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23390067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多田 高 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (30188247)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再プログラム / 細胞融合 / iPS細胞 / エピジェネティクス / 多能性幹細胞 |
Research Abstract |
背景)iPS細胞は、多能性を応用して個人に対応した移植細胞や組織を作製するための細胞ソースとなることが期待されている。しかし、体細胞がiPS細胞に再プログラム化する機構はほとんど解明されておらず、iPS細胞技術を医療応用する上での障害になっている。 目的)体細胞からiPS細胞へ一方通行の道筋をたどる細胞株を樹立し、その結果を他の再プログラム化誘導法である細胞融合と比較することで共通のメカニズムを浮き彫りにする。 平成24年度の成果)ヒト体細胞からiPS細胞への再プログラム化過程の中間状態にある間葉系幹細胞、iRS (intermediately reprogrammed stem)細胞が、安定に維持可能な細胞株として樹立された(発表準備中)。iRS細胞は培養条件をかえる事で、再プログラム化が再スタートしiPS細胞へ転換する。転換過程の段階ごとの細胞での遺伝子発現やエピジェネティクスの解析を行い、再プログラム化に伴う経時的変化を明らかにした。加えて、細胞融合による再プログラム化過程におけるDNA脱メチル化関連因子Tetの役割を明らかにした。細胞融合研究の成果は、Molecular Cellに発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
再プログラム化の分子機構の解明につながる新規初期化細胞株,iRS (intermediately reprogrammed stem) 細胞の樹立・維持に昨年度成功しており、それらの細胞を同時に、かつ効率よくiPS細胞に再プログラム化させることが可能になった。このiRS-iPS細胞の再プログラム化の過程における遺伝子発現の変化をcDNAライブラリーを作成し、マイクロアレー解析することに成功した
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Strategy for Future Research Activity |
iRS-iPS細胞の再プログラム化のメカニズムをエピジェネティクス、特にヒストンのメチル化やアセチル化を解析する。また、iRS-iPS細胞の転換制御の鍵となるシグナル伝達系を解明する。
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