2011 Fiscal Year Annual Research Report
新たな生物モデル系を用いた直鎖状ポリユビキチン鎖の生理機能解析
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23390070
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
徳永 文稔 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (00212069)
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Keywords | タンパク質 / 酵素 / 細胞・組織 / モデル生物 / 炎症 |
Research Abstract |
我々は、ユビキチンのC末端Gly76が別のユビキチンのN末端Met1にペプチド結合する全く新しい直鎖状ポリユビキチン鎖を生成するユビキチンリガーゼ複合体LUBACを同定した。LUBACは、TNF-αなど炎症性サイトカイン刺激で惹起される古典的NF-κB経路の制御に重要である。本年度の研究で我々は、HOIL-1LとHOIPという2つのサブユニットに加えて、SHARPINというHOIL-1Lに高い相同性を示すタンパク質が生理的なLUBACのサブユニットであることを同定した(Nature, 2011)。SHARPIN欠損マウス(cpdmマウス)は重篤な慢性皮膚炎を発症するが、この原因が細胞内のLUBAC複合体が減少するため、NF-κB活性化が低下することに起因することを明らかにした。また、LUBACは骨肉腫細胞の肺転移に関わることや(Int. J.Onc1., 2012)、LUBACの構成サブユニットの構造解析にも着手した(Biomo1. NMR Assign., in press, EMBO Rep., in press)。本基盤研究において我々は、メダカ変異精子ライブラリーにおけるHOIPの変異体をスクリーニングした。メダカではヒトHOIPに相当する分子が2種類存在する。全ライブラリーをスクリーニングし、まずHOIP2遺伝子に変異のある精子の解析を進めた。その結果、HOIP2遺伝子のexon9を用いたPCRスクリーニングでは幾つかの変異精子を同定できたが、HOIP遺伝子の発現がなくなるノンセンス変異では無く、アミノ酸変異を引き起こすミスセンス変異体のみ取得できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年10月に大阪大学から群馬大学へ異動したため、研究室環境の確立に時間を要したため当初の計画に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、研究室の実験環境はほぼ確立し、解析に着手できるようになった。今後、メダカ系だけでなく当初計画に記載したニワトリB細胞系のDT-40細胞を用いたノックアウトにも着手し、研究の進展を図る。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] SHARPIN forms a linear ubiquitin ligase complex regulating NF-κB activity and apoptosis2011
Author(s)
Fumiyo Ikeda, Yonathan Lissanu Deribe, Sigrid S. Skånland, Benjamin Stieglitz, Caroline Grabbe, Sjoerd van WijK, Mirita Franz-Wachtel, Panchali Goswami, Vanja Nagy, Janos Terzic, Fuminori Tokunaga, Ariadne Androulidaki, Tomoko Nakagawa, Manolis Pasparakis, Kazuhiro Iwai, John P. Sundberg, Liliana Schaefer, Boris Macek, Katrin Rittinger, and Ivan Dikic
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Journal Title
Nature
Volume: 471
Pages: 637-641
Peer Reviewed
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