2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖タンパク質糖鎖合成障害の実態解明を核とする疾患グライコプロテオミクス研究
Project/Area Number |
23390081
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Field |
Pathological medical chemistry
|
Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Maternal and Child Health |
Principal Investigator |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋川 幸直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 研究員 (90393264)
田尻 道子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 流動研究員 (70581312)
|
Keywords | 糖鎖 / 質量分析 / 先天性代謝異常症 / 糖タンパク / プロテオーム / 診断 |
Research Abstract |
全国からの診断依頼に応じ原因不明の精神運動発達遅滞患者55例の分析を行ったがN型とO型(ムチン型)いずれについても糖鎖合成障害を示す異常所見なかった。 ミュンスター(ドイツ)とナイメーヘン(オランダ)から、CDG-IIの病型診断のための糖ペプチド分析依頼を受け、N型糖鎖のガラクトシル化障害を同定した。 O型(ムチン型)糖鎖異常症を迅速診断するためのアポリポ蛋白C-IIIの分析法を完成した(論文投稿中)。 IgAに付加するO型糖鎖に関するジュネーブ大(スイス)と次のような共同研究を行った。これまでマウスIgAヒンジ領域にはO型糖鎖は知られておらず、マウスモデルもなかったが、Igh-2aallotypeをもつ2種のモノクロナルIgA(anti-IgG2^a-rheumatoid factor)の間で糸球体病変形成能(腎病原性)が異なることに着目し、それぞれのIgAヒンジ領域のO型糖鎖を解析したところ、腎病原性のあるモノクロナルIgAのヒンジ領域にはO型糖鎖があり、一方、腎病原性のないIgAの同部位へのO型糖鎖付加率は極めて低かったことから、マウスIgAにおいてもそのヒンジ領域にヒトIgAと同様(付加部位数は少ないが)にO型糖鎖がある場合には腎病原性をもつことを示した。今後のIgA腎症の研究に貢献すると思われる。 中赤外波長光を用いるマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法が酸性糖鎖のマトリックス支援レーザー脱離イオン化に有効であることを発表した。ヘパラン硫酸やグリコサミノグリカンの分析に応用できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外からの分析依頼など、本症の解析についての期待に応えることができている。また、全国からの診断依頼にすべて応えることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
原因不明疾患に潜む糖タンパク質糖鎖郷税障害という大きな疾患群の実態をさらにあきらかにするため、グリコサミノグリカン合成障害に新たな視点を提供するための分析基盤を構築し、実試料の分析を進める計画である。
|
Research Products
(19 results)