2012 Fiscal Year Annual Research Report
塩誘導性キナーゼ2(SIK2)による神経生存制御機構の解明と応用
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23390082
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
竹森 洋 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, プロジェクトリーダー (90273672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦野 修 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40164850)
北川 一夫 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70301257)
長岡 康夫 関西大学, 工学部, 教授 (90243039)
田端 俊英 富山大学, その他の研究科, 准教授 (80303270)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 転写 / cAMPシグナル / 神経 / CREB / 化合物 |
Research Abstract |
本年度は、SIK2の阻害剤を開発し、細胞内シグナル経路の検証を行った。SIK2を試験管内で1nM以下で阻害可能な低分子を取得した。その低分子のシグナル修飾作用を検討した結果、酸化ストレス耐性に関与するMn-SODの誘導が観察された。これは、SIK2-KOの細胞でも観察されることから、この低分子はSIK2を培養細胞内で抑制可能であると考えられる。次に、SIK2-KOの表現型の1つである、メラニン合成抑制を検討した。SIK2はメラノサイトにおいてメラニン合成系を抑制しており、B16メラノーマ細胞でのSIK2ノックダウンはメラニン合成を誘導する。さらに、毛色が黄色いAyマウスへのSIK2-KOの遺伝的背景の導入は、毛色を黄色から野生色の茶色に変化させる。そこで、B16細胞とマウスを利用して、化合物がメラニン合成を変化させるか検討した。結果、化合物は10uMでB16細胞のメラニン合成を促進し、Ayマウスの毛色を野生色へ戻した。このことから、化合物で生体レベルでもSIK2を抑制できると結論した。 現在は、SIK2-KOに観察された他の表現型(例えば、炎症性サイトカインの分泌パターンの異常)を化合物で再現可能かを検討している。また、SIK2とは別経路で神経保護に作用する低分子のスクリーニングにも成功した。そこで、神経保護に機能する転写因子の細胞内局在を化合物の有り無しで検討することで、いかなる経路が重要かを探索している。この新規経路とSIK2阻害経路が相乗効果を発揮することが期待される。評価系も初代神経培養をWTおよびSIK2-KOで行うことで、相乗効果が認められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
有用低分子が取得できている。
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Strategy for Future Research Activity |
有用低分子の効果を生体レベルで検証を行う。
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Research Products
(9 results)